ユダヤ人画商 VS ナチス親衛隊
ミケランジェロの絵画を巡って、命を懸けた駆け引きが始まる!
正直、途中からラストが読めてしまうのですが、それでもそこまでに至る
エピソードが痛快で面白い。「ショーシャンクの空に」や、「ユージュアル・
サスぺクツ」が好きな人はこの映画も好きになるんじゃないかと思う。
ラスト5分のあのシーンのカタルシスは心の中で「よしっ!!!!」と叫んでいました。
いくつもの危機が主人公に訪れるけど、ハラハラドキドキしながら
楽しむことができた。
なにより、今までイメージしていたユダヤ人=迫害された被害者・犠牲者から、
少し見方が変わりました。あの時代を巧みに生きた人もいたんだろうと。
(公式サイトの監督解説を見る限り、それも狙いの1つであったようだ。)
以下、興奮のままに登場人物の感想をば。
■カウフマン(主人公、ユダヤ人、画商の息子でボンボン)
親友に裏切られ家族や恋人を奪われ、収容所送りになってしまったが
母親を無事スイスに送るため、命がけの駆け引きに挑む。
この人の顔、マコーレー・カルキンの現状をカッコよくした感じに似ている。
唇と目のあたりが。
父親の最期のメッセージ「私をいつも目に届くところに置きなさい。」だっけ?
ひやひやしました、スメカルにばれるのではないかと。
■スメカル(主人公の元親友でナチス親衛隊、主人公の家の使用人の息子)
公式サイトを見たら、彼はオーストリア人で、ドイツ人の話し方を習得するのに
苦労したとか。日本人の私は区別がまったくもってつかないが。
この人は、すごく嫌な奴。親友を裏切り、息子のように育ててくれたユダヤ人家族を
収容所に送ったばかりか、画廊もミケランジェロの絵も手に入れた。
ただ、嫌な奴なんだけど、人間臭くて憎めない。親友に銃を向けながらも
結局は撃てなかったのだし。どこか抜けててバカなんだよね。
自分が助かろうとして嬉々として洋服を交換するシーンには、苦笑した。
■レナ(主人公の婚約者)
頭が切れる人。あのシーンで、戸惑いながらも即座に状況を判断したところは
心底ホッとした。もしも、「何をしているの?どういうこと?」なんてことを
言ったらすべてが崩壊してしまっていたから。
彼女のカウフマンへの愛があったからこそ、母親が助かった。
ちなみに邦題の「ミケランジェロの暗号」って、あたかもミケランジェロが
暗号を絵画のどこかに隠したかのように解釈しそうだけど、
実際はそうじゃないです。かといって、原題の「Mein Bester Feind」を
エキサイト翻訳すると「私の最高の敵」これもう~ん、ダサい。
このタイトルなら観に行かなかった。タイトルってむずかしいな。
絵画に暗号が隠されていて、そこから話が展開するんだって誤解する人を
釣るのにはいいタイトルかも。現に私が釣られた。