暖かいというのを通り越して、暑いぐらいの陽気でした。
陽気もそうならば、グラウンド上も熱戦が続いていましたね。
ということで、わかさスタジアム京都の3試合の結果です。
【第一試合】大阪ガス 1-0 三菱重工神戸・高砂
神高 000 000 000 = R0/H6/E1
大阪 000 010 00x = R1/H5/E0
[試合経過]
5裏:室屋 先制タイムリースリーベース
5回にエラーをきっかけに挙げた虎の子の1点を、4投手の継投で守りきり、決勝トーナメント進出に「全勝」という素晴らしい華を添えました。
大阪ガスの先発は中谷。130キロ中盤の真っ直ぐを中心に打たせて取るピッチング。奪三振もなく、ツーシームやスライダーなど多彩な変化球のコンビネーションでゴロの山を築く形。無四球という数字以上に安定感がありました。その後は、古都・山本・宮本と公式戦での登板経験の少ない選手を中心に、守りきりました。目を引いたのは山本と宮本。山本はスライダーのキレがよく、さらにマウンド周辺のフィールディングの動きも素早かったですね。宮本は140キロに迫る重そうな真っ直ぐで詰まらせるシーンもありましたし、楽しみな高卒ルーキーが加入したな…と思えるピッチングでした。
打線は5回の1点のみ。主力どころがベンチスタートで、経験が少な目の選手を積極起用した形ですが、もう少し打てて欲しいな、とは感じました。その中で、エラーのランナーを一振りで得点に結びつけた室屋は流石だと思います。左打席に立った時、いつ打ってもおかしくないような風格さえ感じましたので、楽しみなバッターです。
あとは、この試合で出たメンバーと青柳・伊藤・峰下・土井といった主力どころとどう融合するのか、楽しみです。
敗れた三菱重工神戸・高砂も、決して悲観するものではないのかな?と思います。エース・守安を出さずして、ここまでの接戦に持ち込めたのは大きな収穫でもあるでしょう。その立役者となったのが先発の尾松かと思います。真っ直ぐこそ130キロに満たない球が多かったですが、カーブ・チェンジアップと多彩な変化球を駆使して真っ直ぐを「速く見せる」のに長けていたかと思います。牽制のうまさ・低めへのコントロールと、尾松の持ち味が存分に出たマウンドだったのでは、と感じますね。後を継いだ山田・伊吹も無失点と好投、都市対抗予選を見据える意味でも、意義のある試合だったのかな?と感じました。
打線は、2度の先頭の走者や3度の得点圏のチャンスを活かすことができませんでしたね。失点の場面も、落球からスタートしていますので、今回の試合はミスで負けたとも言える試合だったのかな?と感じます。
【第二試合】日本生命 5-3 三菱重工広島
日生 003 000 200 = R5/H8/E0
広製 000 003 000 = R3/H9/E1
[試合経過]
3表:伊藤悠 先制スクイズ
3表:原田 タイムリースリーベース
3表:上西 タイムリー
6裏:実政 タイムリーツーベース
6裏:松原 タイムリー
6裏:田中 同点タイムリー
7表:原田 勝ち越し2点タイムリー
一時は振り出しに戻るクロスゲーム、全勝同士の“粘り合い”を制した日本生命が、決勝トーナメント進出を決めました。
日本生命先発は左腕の高橋拓。左腕からキレの良い真っ直ぐを投げ込み、最速の145キロなど140キロ台を度々マークしていました。真っ直ぐにスライダーと、1球1球を見ると良いボールを投げていましたが、5回にドラッグバント、6回にヒットから盗塁と脚で揺さぶられた際に踏ん張りきれなかったですね。敬遠を挟んで三連打を許して同点となったところで降板。自力でピンチを切り抜けられるようなことがあれば、またワンランク上のピッチャーへと成長を遂げるのでしょう。その高橋拓の残したランナーを置いてリリーフした藤井も素晴らしかったです。そのイニングを三振でスパッと切ると、以降3イニングはマイペースのピッチング。140キロを越す重い真っすぐと、スライダー。これを駆使して再び日生に流れを呼び込むナイスリリーフだったと思います。
打線は伊藤悠の先制スクイズを含む3犠打という数字が示す通り本当に手堅い攻めを演出してきますね…それを含めて計5犠打。3回7回の得点シーンはいずれも犠打が絡んでいますし、日生のチームカラーとしてこれからもこういう形が続くのでしょう。そして、後を打つ選手の集中力・信頼感。これをなくして手堅い攻めというのはできませんし、ベンチと選手の信頼関係が成せる攻撃だと思います。その、犠打で送った後を決めたのが、主に原田でした。先制機・勝ち越し機は、下位の選手でチャンスメイクして、1・2番でランナーを還すパターン。その中核を担って2本のタイムリーを放ちました。こうした細かい野球が、決勝トーナメントでも生きてくるのではないかな?と思いますね。
一方の三菱重工広島は一度は同点に追いつくものの、すぐさま突き放される形になりました。6回の集中打は、それまでの機動力がボディーブローのように効いた形だと思います。積極的にエンドランで走者を動かすシーンがありましたし、5回には先頭の田中がドラッグバントを決めるなど、ジワジワと日本生命先発の高橋拓を追い詰めていく形。それが結実したのが6回でしょうかね。1死後に汐月がヒットで出るとすかさず盗塁、市原が倒れた後は敬遠を挟んで3連打という形で高橋をマウンドから引きずり降ろしました。この攻撃は鮮やかでしたね。ただ、惜しまれるのはその回に一気にリードを奪うまでには至らなかったこと。最後は日生のリリーフエース・藤井に封じ込まれました。
そして、投手陣も気になりますね…。何とか接戦には持ち込んだものの、先発投手が早い回で降板して後の継投は「何とか凌いだ」という印象が拭えません。言い方を変えれば「総力戦」という形でしたね。その中で1人選手を挙げるならば杉山ですかね。最終回の途中からリリーフして、真っすぐでグイグイ押すピッチング、ほとんどが140キロ台半ばで147キロという計時もありました。コントロールはまだまだ粗いですが、昨年に引き続き良さが失われていないようで、本当に安心しました。このまま秋になって、どこまで成長を遂げるのか…高校卒業3年目、楽しみです。
【第三試合】ニチダイ 10-1 新日鐵住金かずさマジック
ニチダイ 000 401 023 = R10/H13/E0
マジック 000 010 000 = R01/H10/E1
[得点経過]
4表:牧野 先制押し出し四球
4表:山口 3点タイムリースリーベース
5裏:川瀬 タイムリー
6表:敵失
8表:森 2点タイムリーツーベース
9表:藤野 タイムリーツーベース
9表:金子 タイムリースリーベース
9表:山口 犠牲フライ
13安打10得点…今後への可能性を示したニチダイが、今大会の初勝利を挙げました。投手が代わった4回以降に、計5本の長打を集めて10得点と「どこにそんなパワーがあるのか」とも聞きたくなるような爆発力でしたね…。特に、9回のダメ押し点は7・8・9番の三連続長打もありましたし、火が付いたときの勢いというのは凄まじいものがあるな…と実感しました。特に誰が…というのではなく、唯一ヒットがなかった選手でもきっちり3個の犠打を決めたようにスタメンの誰もが、何かしらの役割を全うしたニチダイの試合ぶりだったのかな?と感じます。
投手に関しては、蔭地野→時野谷→田川のリレーでかずさマジックに得点を許さない展開。こちらもヒット10本を浴びますが、粘りのマウンドが続いていましたね。蔭地野・田川は角度のある140キロ前後の真っすぐ、そして時野谷は左のアンダーハンドから独特の浮き上がる軌道で6個のアウトのうちフライアウトが5個と、それぞれが良さを十二分に発揮したマウンドだったのかな?と感じます。
ニチダイにしてみれば、投打ががっちり噛み合った最高の試合…とも言えるのではないでしょうか。この1勝で、来る都市対抗予選に向けて弾みがつくことでしょう。
敗れた新日鐵住金かずさマジックは、攻守に精彩を欠いていましたね。10安打するも僅かに1得点。5度の得点機がありましたが、モノにできたのは5回の1度のみ。走塁ミスもありましたし、ちょっと拙い攻めが目立ちました。ただ、ミスがあったとはいえ8番の宮澤は唯一の3安打、いずれも強烈なライナーの打球で、底知れぬポテンシャルを感じました。
投手陣は、つぎ込んだ5投手で計8四死球と芳しくない数字になりましたね…。無四球で終えた選手がおらず、みんながみんな、苦しいマウンドになってしまいました。この投手陣の底上げというのは喫緊の課題として挙げられそうですね。それでも、高卒ルーキーの黒田など若い選手を試していましたし、選手の育成に関する意欲というのは感じ取れましたので、今後に期待をしたいと思います。
という感じで、朝から夕方まで3試合を見てきました。
第一・第二試合はスコアが示す通り大熱戦、本当に良いものを見させていただいたな…と感じますね。
明日も、朝から決勝トーナメントを見てこようかと思います。