タイプ1はまた、正義の人でもあります。社会的、組織的、そして自分の道徳的に「正しい」と思えることに従います。そのため、自分のデスクは常に清潔、スケジュール帳も丁寧に記載され、自身が所属する組織が間違った方向に行くのであればそれを正そうとします。細かいところまでキチンとチェックするので、仕事においては大変有能であると評価されやすいです。
ではタイプ1に欠点はないのでしょうか?そんなことはありません。エニアグラムの各タイプには平等に長所短所があります。タイプ1も例外ではありません。
タイプ1は自分の心の中に「内なる批判者」が存在しています。常に自分が正しい存在であるように自分自身を監視しているのです。これがポジティブに働けば自身も周囲もより高い目標へ突き進み達成することができます。しかし、この「内なる批判者」(フロイトの言うところの“超自我”でしょうか)はタイプ1にとってストレスの元になります。
どんなもの、ことであれ、常に完璧を目指せる状況というのはめったにありません。他のタイプでは上手いこと折り合いをつけることができるのですが、タイプ1にとっては「内なる批判者」がそれを許すことを拒むのです。堕落した(とタイプ1が思うような)環境と内なる批判者との狭間でタイプ1は上手に折り合いをつけることができず、タイプ1はストレスをため込んでいきます。そのため、タイプ1は往々にして「怒りっぽく」なります。
ただし、タイプ1が怒りを周囲に向けることはそう多くありません。なぜなら「怒っている自分」というのは「完璧ではない」からです。そのため、あからさまにイライラしているタイプ1に「どうしてイラついているの?」と聞いても、大抵「自分はイラついていない!(怒)」という返事が来ることが多いです。ただやはり人間ですから、怒りをため込むのにも限度があります。そのため「堪忍袋の緒が切れた」とき、タイプ1の怒りは一気に爆発します。しかも、そのきっかけはとても些細なことが多いです(職場が散らかっている、普通に取り返しのつく小さなミスを部下がするなど)。
これらのことは、タイプ1が自分の感情に対して非常に鈍感であることを示しています。ですから、自分がくたくたに疲れて休みたいと感じていても、それを無視しようとします。その結果体調崩すこともあります。
もしあなたが自身のことをタイプ1と感じるようなら、もっと自分の感情に素直になってください。今あなたが望んでいることはなんでしょうか?あなた十分真面目ですので、体調や気分が優れないときは思い切って休んでください。それは怠惰ではありません。あなたがより高い目標へ突き進むための準備なのです。
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