星の流れに | LONELY JACK KNIFE

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言われてうれしかったこと、腹立ったことブログネタ:言われてうれしかったこと、腹立ったこと 参加中



妻の働いてる介護施設に数ヶ月前、90歳くらいの大柄なおじいさんが入ってきた。

毎日介護に携わる中、ある日、鶴田浩二はワシの予科練時代の後輩なのじゃ、とそのおじいさんが言ってきて、妻はマジ~すげえと興奮し、その事を家で僕に教えてくれ、僕も同じように興奮した。



しばらくするとそのおじいさん、良く歌うようになるのだが、軍歌ばかりで、妻は知らない歌より知ってる歌をと色々歌ってあげてた中に「星の流れに」があった。

それからは2人一緒に歌ったり、続きを歌ってもらったりする日々を過ごしていたのだが、おじいさんは次第に弱っていき、歌もままならなくなったいった。



ある時、それでも妻が耳元で歌ってあげてると、病室の去り際、おじいさんは、か細い声で続きを歌ってくれ、驚いて戸口で振り返るなんてこともあった。
ドラマの演出には臭すぎるが、実際にあったことなのでその話を聞いた時は僕も感動したものだ。






10月、いわきでライブをやった際に、星の流れにを選んだのはこのおじいさんの事があったからだ。

本当は10月まではもたないと聞かされていたけれど、おじいさんは少し容体が良くなったりしていた。

大柄なおじいさんとは対照的に小柄な奥様も毎日の様に来ていたらしく、妻にも丁寧にお礼をしてくださっていた。

本当に仲の良いご夫婦だったらしく、ある日妻がおじいさんの着替えをさせようとした時も、女房に悪いからと拒んだらしい(笑)

そんな話をずっと僕は聞かされていた。





昨日夜帰ると、妻から、そのおじいさんが昨夜亡くなったとの報告があった。

妻の職場は病院ではないから、元気になって退院ということはなく、利用者の死は日常的なことだ。



話を聞いていただけの僕でさえ、本当に寂しかったよ。

介護は激務だが、感動も貰えると妻は言ってて、それは本当だと思った。
この仕事にやり甲斐を持てて、本当に良い仕事についたなと心底思う。


時折ニュースで、介護職員の不祥事なんかがあると、2人で「何故?」なんて話しているよ。