犬のおじさん | LONELY JACK KNIFE

LONELY JACK KNIFE

 日常のことから趣味の世界まで、思ったことをストレートに書いていきます。反論大歓迎(笑)。 アメンバーの申請は誰でも構いませんのでどうぞ。あと、コメントに関しては、アメブロ登録してないと、書き込めない設定になっていますのでご注意ください。


1日のうち何分くらいボーっとしてる? ブログネタ:1日のうち何分くらいボーっとしてる? 参加中
本文はここから





 ずーっとボーっとしてそうなおじさんの話を。



 日曜日、草月いけばな展に友人の作品が展示されるというので妻と二人で行ってきた(そのことはまた書きます)


 その日最寄り駅から電車に乗って向かった。電車が動くとすぐに僕らが数年前まで住んでいたマンションが見える。

 近くには小さな公園があった。
 
 そこはどうも個人で作ったらしく、夕方5時になると門が施錠されていた。個人といっても、ちゃんと、滑り台や砂場、シーソーに鉄棒、ブランコなどはあった。

 面白かったのは、檻の中で鹿を数頭飼っていたり、孔雀までいたことだ。

 そんなわけで、子どもがまだ小さかったころは、近いし、その動物に野菜やパン耳などの餌もやれたのでしょっちゅう利用していた。

 長男がようやく歩けるようになってから何年も通ってた公園。


 その公園が別なものに変わっている様子だったのは、出勤途中僕は気が付いていた。だからその時に横にいた妻に「鹿公園無くなったっぽいぞ」と言った。

 僕らはその公園を「鹿公園」と呼んでいた。


 「公園デビュー」という言葉があるが、まさに妻が小さい長男を連れて初めて遊ばせに行ったのがその公園だった。

 しかしそこには言っちゃあ悪いが、ホームレスのようなおじさんがいた。ベンチがあって日よけもあるので、毎日そこのベンチにいるのだ。

 その人はいつも犬を連れていたので、僕らは「犬のおじさん」と呼んでいた。60歳くらいだったろうか。

 そのおじさんは遊びに来る小さい子どもたちにいろいろ話かけたりもしていた。まあ子どもが好きなんだろう。
 
 長男坊は割りと懐いていた。するとおじさんはどこかの公園で落ちていた、もしくは捨てられているようなおもちゃを微妙に修理を施しww長男にくれることもあった。

 はっきり言って、他のママさん方には嫌がられていたし、あそこに行っちゃ駄目よ的に露骨な警戒心を持っている人もいた、というかほとんどだったww

 うちはそういう「系」では無かったのでww犬のおじさんは益々長男を気に入って、特別に用意してくれたおもちゃをくれたりしたwwwたまにはうちからもお菓子などを持って行き長男に「ほらおじさんにあげてきな~」などという交流もあった。

 「犬のおじさんは」しまいには長男の名前を普通に呼ぶようにもなっていたww




 僕らは電車に乗りながらそんな昔話をしていた。

 妻は「そういえば、なんでもない日に外を長男乗せて自転車を漕いでいたら、偶然たくさんの空き缶を自転車に乗せて止まっていた「犬のおじさん」を見たんだよ。長男もそれに気が付き「あっ!!」と声をあげたのだが、そこは見ちゃいけない、声をかけちゃいけない場面だと思ったから、スルーして帰ってきた」なんて話もしていた(笑)
 
 「おじさんのこれまでの人生の中で、奥さんや子どもがいた時期とかあったのだろうかね? 、だとすると、公園で子どもらと接していた時はどういう気持ちだったんだろうなあ」と僕は言った。

 人には色々な人生はもちろんあるけれども、あの公園にいたおじさんはあの時あれで満足であったのだろうか、などと妻としんみり話し合ってしまった。