松島湾内の島々や沿岸の丘陵地帯と外洋までを含んだ、総面積96平方キロメートルに及ぶ県立松島自然公園の西端に位置する御殿崎は、南北約70メートル・東西約18メートルの風光明媚な岬です。
国の特別名勝松島の最南端で、岩を噛む白波は豪快な風景となっています。
岬の突端には鴻ヶ島(こうがしま)が横たわり、
その周辺の岩礁 (リーフ)が白い泡をかき立てており近くには
黒崎(くろさき)・飛ヶ崎(とびがさき)といった景勝地もあります。
別名を鴻ヶ崎、平安時代には松ヶ浦島と呼 ばれていました。
当時の歌会の題としてとりあげられることもあるほど多くの歌人の憧れの地であり、
清少納言の枕草子にも「みちのくの松ヶ浦島」との記載が あります。
また『続古今集』に「心ある蜑(あま)(海に入って貝・海藻をとる女性)や
植ゑけん春毎に藤咲きかかる松ヶ浦島」(後嵯峨帝)とあるように、
いにしえの御殿崎は、藤の花が美しく咲き誇る地としても知られていました。
江戸時代になると、伊達政宗がここを避暑地として選び仮館を設けたことに始まるといわれ歴代藩主らの遊覧の地でもありました。
松ヶ浜でもっとも眺めの良い鴻ヶ崎(こうがさき)に建てさせた仮館でした。
その後、鴻ヶ崎はお殿様の仮館が建つところという意味から『御殿崎』と呼ばれるようになり、その地名が今も残されています。
また御殿崎は釣り場としても人気があり、アイナメ、メバル、ソイが釣れるポイントとして知られています。仙台からのアクセスも非常に良いので休みの日には、防波堤沿いに多くの釣り人の姿が見られます。
次回は、御殿崎の伝説をご紹介いたします!