「志ん朝さんのきれいな落語。」古今亭志ん朝 鰻の幇間 | 七梟のブログ

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気まぐれ

 

鰻の幇間 古今亭志ん朝

 

 

 『 圓生の洒脱さや可楽の渋さも捨てがたく、好みの別れるところである。文楽は悲喜劇として演じ、志ん生は喜劇として演じていると評された。また柳好は、自身が幇間をしていた事もあり、自然体でもっとも幇間に近いと絶賛された。 一八を騙した男は一体、誰だったのか、ということがたまに問題にされる。 』


 この噺の主人公は野太鼓(幇間)です。野だいことは、『素人(しろうと)の太鼓持ち。転じて、芸がなく、座をとりもつだけの太鼓持ち』のことです。幇間は、仕事柄、上等な草履をはき、立派な羽織を着ております。


「枕 いまではたった二人に」

 噺家って気楽そうに見えますが、それなりの苦労があります。第一、話を覚える必要がありますので、馬鹿じゃできません。ただし、賢い人は落語家になろうとは考えませんが・・・・。


 似たような仕事が幇間ですな、客のおもちゃでございますが、言われっぱなしでは仕事になりません。間合いの上手さと、状況を瞬時に読み切る賢さが必要です。そんな幇間も、今ではたった二人になりました。


「本編」

 野だいこが歩いていますと、向かいから金回りのよさそうな男がやってきます。浴衣がけですが、パナマ帽をかぶり羽振りがよさそうです。初めて会う人だったのですが、仕事にありつこうと幇間の方から声を掛けます。「だんな、お久しぶりです。向島でお会いしました」


 もちろん、男にそんな記憶はありませんが、「じゃあ、鰻でも食おうか」と幇間を連れて行ったのが、小汚い鰻屋でした。ほこりも目立ちます。「こういう店が旨いんだ」、早速、酒と蒲焼を頼みます。もちろん、幇間は男を持ち上げます。


 一段落した時、厠(かわや)へ行くと言って、男は席を立ちます。しかし、いっかな戻って来ません。小僧が勘定書きを持ってきます。男が払っているんじゃないかと聞くと、残った客から支払ってもらいな、言ったそうです。「立派な羽織を着たのが、旦那だ。おいらは、お供で着いてきただけだ」と言って帰ってしまったそうです。


 勘定書きを見ますと、3人前の土産まで持ち帰っております。腹を立てた幇間は散々に小僧に文句を言います。「金は払うよ。でもな、汚ねえ店だな、それになんだ、その盃は?酒屋からのもらいものかい?」


 下足番に草履を出してくれと言いつけますと、先ほどの男が履(は)いて帰ったと言います。「仕方ねえ、じぉあ、先ほどの男が履いていた小汚ねえ草履を出しな」と命じます。


「落ち」

 「紙に包んで、お持ち帰りになりました」

 

 

志ん朝さんのきれいな落語。」 - ほぼ日刊イトイ新聞