落語名作セレクション 『金玉医者』 立川 談志
『金玉医者』 立川 談志
「金玉医者」
とある旦那には病に伏せている娘がいた。彼女の病は精神的なもので、数多の医者が手の施しようがないとさじを投げた。そこへある医者を紹介される。いかにも胡散臭い男で治療も病人の部屋で「世の中は広大無辺なり」「愛こそ全て」などと説法めいたことを説くだけ。
ところが次第に娘は元気になっていく。不思議に思った旦那が尋ねると実は治療中に小難しい話をしながら、はだけた着物の裾から金玉を覗かせていたのだという。口では立派なことを言っているくせに間抜けに金玉を見せているものだから娘は笑う。そうやって心をほぐしているらしい。だが「金玉に治療費を払っていたとは」と憤慨した旦那は金をケチって自分の金玉を見せることにするのだが・・・
七代目 立川 談志
古典落語に広く通じ現代と古典との乖離を絶えず意識しつつ長年にわたって理論と感覚の両面から落語に挑み続けた。古典落語を現代的価値観・感性で表現し直そうとする野心的努力が高く評価されたが、その荒唐無稽・破天荒ぶりから好き嫌いが大きく分かれる落語家の一人でもあった。落語のみならず、講談、漫談をも得意とするなど、芸域の広さで知られた。五代目三遊亭圓楽、三代目古今亭志ん朝、五代目春風亭柳朝と共に「江戸落語若手四天王」と呼ばれた。自ら落語立川流を主宰し「家元」を名乗る