0486 猫とネズミ
あらすじ
むかし、ある所におばあさんとおじいさんが住んでいた。ある雨の日、おじいさんは家の前の小さな畑のそばで、子猫が鳴いているのを見つけた。おじいさんは、子猫を家に連れて帰り、あったかいお粥を食べさせてあげた。そして、おじいさんとおばあさんは、子猫を自分の子のように大事に育てた。
ある日、おじいさんが納屋に鍬を取りに行くと、なにやら納屋の奥のほうからシャリシャリという何かをこするような音が聞こえた。そして次の日も、やはりシャリシャリという音が納屋の方から聞こえた。猫が納屋へ行って見ると、音は納屋の床にあいた穴の下から聞こえてくるようだ。
また次の日、猫が納屋に行ってみると、豆を持ったねずみがいたので、ねずみを捕まえた。ところが、捕まえたねずみはこう言う。
「オラたちねずみは、雨が降るとねずみのお宝を磨かねばならないのです。これは大変な仕事で、疲れがたまったせいか、おっかさんが寝込んでしまいました。それで、おっかさんに栄養を付けさせるため、この豆が必要なんです。おっかさんが元気になったときには、必ず猫さんに食われます。」
猫は可哀想に思い、ねずみを逃がしてやった。そして家に戻ると、何を思ったのか、戸棚に飛び乗り、豆の袋やら壷やらを倒してしまう。おじいさんとおばあさんが、これはどうした事かと見ていると、猫は納屋へ行き、床の穴からねずみの巣穴に豆をたくさん落としていたのだ。
その頃、ねずみの巣穴では、子ねずみが持ってきた豆のおかげで、おっかさんの具合はだいぶ良くなったものの、子ねずみが猫に食われてしまうと大騒ぎになっていた。すると上から豆粒がたくさん降ってくる。子ねずみが上を見ると、猫が豆をたくさん落としてくれていたのだ。子ねずみは、これでもう思い残すことはないと言い、穴から出てきた。
「猫さんありがとう、約束どおりオラを食べてください。」
しかし、猫は何も言わずに家の中に帰ってしまう。それからしばらくして、チャリンチャリンという音が納屋から聞こえてきた。ねずみの巣穴から大判、小判がたくさん出てきたのだ。おじいさんとおばあさんが驚いていると、ねずみが一族で穴から出て来て、お礼を述べる。
「おかげさまで、おっかさんの具合もよくなり、無事ねずみのお宝を磨き上げることが出来ました。これはほんのお礼です。」その後、おじいさんとおばあさんはねずみのお宝のおかげで何不自由なく暮らし、猫もねずみもかわいがったそうだ。
0059 金太郎
むかしむかし、足柄山に金太郎という元気な男の子が乳母と一緒に暮らしていました。
金太郎は小さい時からクマやサルやシカといった動物たちと仲良くなり、乳母の乳をいっぱい飲んで、よく眠り、よく遊んですくすくと育ちました。そして、金太郎が10歳くらいになるとクマの顔と同じ大きさの石をお手玉にして遊んだり、クマをはじめとする動物たちと相撲を取ったりして遊びました。もちろん、遊んでばかりではなく、イモ掘りをするなどして乳母の手伝いもよくしました。金太郎と乳母はたくさん取れたイモをおいしそうにたくさん食べました。
そして、ある日の朝、金太郎はサルと一緒に外へ出るとすぐにしゃがみこむと、お腹に力を入れて「うぅ~んっ」と踏ん張りました。金太郎は乳母を呼ぶと、乳母はすぐに外に出て金太郎のところに行くと、金太郎の足元に出たばかりのでっかいウンコがありました。それを見た乳母はでっかいウンコは元気な証拠と金太郎を褒めていました。
金太郎は、谷川に水を汲みに行ってイモ畑へ戻りましたが、そのイモ畑は大イノシシの集団によって大きく荒らされていて、乳母は大イノシシによって顔に大きな傷を負わされた上に大事に育てたイモも大イノシシに食い荒らされました。怒った金太郎は大イノシシに立ち向かって行きました。そして、金太郎は大イノシシを隣の山の頂上の窪みへ投げ飛ばしました。
金太郎は、乳母を箱根の山奥にある傷や病によく効く露天風呂に連れて行きました。その露天風呂のお湯を乳母の顔にかけると乳母の顔にあった大きな傷はみるみるうちに消えました。そこへ、源頼光の一行がやってきました。源頼光は人々苦しめる鬼を退治するために都へ向かうところでした。金太郎のやさしさと怪力にほれ込んだ源頼光は力を貸してくれないかと言うと、金太郎は都へ出ることを決心しました。
こうして、乳母や動物たちとともに暮らした足柄山を後にした金太郎は、大人になって名前を坂田金時と改めて、頼光四天王の一人として大江山の酒天童子を退治したことが後々まで語り継がれていきました。