申し訳ございません
はぁ 疲れた…
そう彼は ため息混じりに呟いた
得意ではない会議や
意味の無い 探り合いの会話
蹴落とそうとする 作り笑顔の仲間
そんなことの繰り返しで
身も心も疲れ果てた時
この人は うちに来る
合鍵を持つ彼は
この家の都合を考えもせず
当たり前のように 勝手に入ってくる
その割りには 玄関で立ち止まり
部屋に入ってこようとはしない
気を使っているのか
もしくは 迎えを待っているのか
どっちなのかわからないけど
俯き 子供のように しょぼくれて
玄関に突っ立ったままの この人が
愛おしくて 堪らない
ふわり と抱きしめるこの手を
強引に引き寄せ
この人は 荒々しく口付けた
性急に求められた行為に
あっさりと身を委ね
しんとした 空間で
湿らせた 音だけが 響いていた
また 同じ夜がきた
求めるこの人と
求められる事にだけ喜びを感じる
自分の 愚かさを実感する夜が…