先生に弱音を吐いたんだよね、メールで。
1日待って返ってこなかったから、こりゃもう逆に見捨てられちゃったかなぁなんて考えていたんだよ。
そしたら今日、目が覚めたときに返信が来てて、なんか、号泣した。
現実逃避してた昨日までの自分を殴ってやりたくなった。
この先生のもとについて本当によかったと思ったし、今までの自分から脱却しなきゃって、心の底からそう思った。
自慢の教え子だって思ってもらえるようになりたい。
胸を張って卒業したいし送り出されたい。
がんばろー。
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直井君
1.紀要について
まず、研究方法について、教員のWLBと属性(投入した変数)との関わりを示す図を書く。
次に、表2の属性について単に表を示すだけでなく、対象者の属性についての概要を書く(どんな特徴をもった対象者なのか)。
結果については、研究枠組みの図に示した変数との関わりについ書く。特に明らかな違いが得られた変数と、ワークライフバランス、ゆとり感、バランスに対する満足感、理想と現実のギャップ、困難の有無のそれぞれの関わりについて書く。ワークライフバランスの達成度合いは総合的なものなので、最後の方がよいと思います。
たとえば、「ゆとり感」であれば、最初の原稿では、達成されているものについては、性別、年齢、未既婚などについてしか記されていません。いろいろな変数を投入したのにこの分析には少しも生かされていません。どのような属性の者がゆとりを感じていたのか、もう少し丁寧にみる必要があります。それ以外についても同様です。考察については、これ以上の考察がむりなのであれば、新たな提案をしてみることを薦めます。結果から提示される課題を解決するためにはどのような制度や職場環境の改善が必要なのか、そしてそれを実現するには何をすればよいのか、などです。
いずれにしても、まずは丁寧な結果の分析が必要です。結果をよくみて、何が見えるのか、それを文字にしていくことをしてみてください。
2.今後の研究への取り組みについて
紀要の原稿をかくことで自分の課題が明確になったのであれば、今の時期に紀要に取り組んだ意義は十分あったといえます。
研究テーマはいくらでも変更することができます。
が、どのようなテーマに取り組んだにせよ、直井君の今ぶつかっている課題には直面することになりそうです。
課題を直視し、それを解決していかないといけないということです。
大学院に在籍している間は、資料やデータを丁寧に分析するとともに、論理的に思考し、他者に理解できるような文章を書くことにじっくりと取り組んでみることを薦めます。
直井君の何よりの強みは、人とよい関係を築くことができることだと思います。
それは教員になったときに役だつだけでなく、社会調査をするうえでも必要な資質です。ですから修士論文ではどんなテーマになるにせよ、聞き取り調査をするのがよいのではないかと思います。が、よいデータをとることとそのデータを分析することは別の次元です。もしかすると直井君はデータを分析することはあまり得意ではないのかもしれませんね。では、大学院ではその「苦手」に取り組めばよいだけの話です。
その克服の一歩は、毎日、論理的な文章を書くことです。
私は学部3年生で大学院に進学することを決めたとき、2つのアルバイトを新たに始めました。1つが、妊娠中の大学院生の調査を手伝うこと、これによって調査の仕方を学びました。2つ目は指導教員の手書き原稿をパソコンで清書すること、当時はパソコンで論文を書く教員が少なかったものですから。これで論文の書き方や論理的な思考の仕方を学びました。
博士課程に入ってから、大学教員でも論理的な文章をとにかく毎日、書くことで書く訓練をしている者が少なくないことを知りました。それからは、私も少しでも毎日、論文を書き進め、書くことからはなれないようにして(産休、育休中も)今に至っています。
論理的な文章を書く力は訓練によりいくらでも形成できます。
将来、教員になったとき、児童が作文が苦手だと言ってきたら、おそらく、どんな小さなことでもよいから気づいたことや感じたことを文章にしてみることを薦めるのではないですか?同じことです。
まだ1年生ですから、苦手なことに徹底して取り組むだけの余裕はまだあります。
あまり忙しくなりすぎないように、活動に優先順位をつけて、ゆとりをもった生活をすることも必要かもしれません。
大丈夫、大丈夫。
これからも厳しいことをたくさん言いますが、最終的な責任は私がとります。
今日、明日は、まずは目先の紀要を仕上げることに集中してください。
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