8歳頃の秋の記憶です。

土曜日に友達の家に
遊びに行った時のこと…。



近所の原っぱで遊んでいたら
あっという間に
夕暮れ時になりました。🌅

それでも名残惜しくて
なかなか家に帰れずにいたら
一羽のカラスがやって来たんです。



「カラスの目を見ると
親の死に目に会えない。」 
という迷信を思い出して
急に親のことが心配になりました。


周りに咲いている赤い彼岸花が
不気味で怖いお花に見えたので

「もし、お父さんとお母さんが
死んでいたらどうしよう。」
と私は急に不安になり

オレンジ色の夕日を浴びながら
小さな自転車を必死に
こいで帰りました。🚲




家に着き、
ドラマの再放送を見ている父と
台所にいる母の姿を確認して

生きてることにホッとしたという

‥‥そんな記憶があります。







実際の父の死に目には
誰も間に合いませんでした。



時間厳守の父のことだから、
間に合わなかったことを
きっとカンカンに
怒っているに違いない…と思うと

罪悪感に苛まれて苦しくて
私はそのことをなるべく
思い出さないようにしていました。




ある日、母が

「お母さんはお父さんの
死に目に間に合わなくて
良かったと思ってるの。」

と言うので「えっ?」と驚き、
よくよく聞いてみると


「もし、お父さんが死ぬ間際に
ちょっとでも苦しそうな顔をしたら
頭から離れなくなりそうだから
見なくて良かったと思って・・・。」

と言うので、なんだか
拍子抜けしてしまいました。




私はてっきり母も
罪悪感を感じていると
思い込んでいたので

その言葉を聞き
ちょっとだけ

気が楽になったのでした。😌