2024 原爆の話 その2 原爆の威力 | 夢破窓在のブログ

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2024 原爆の話 その2 原爆の威力

夏になりました、原爆の話題が巷を賑わす季節です。
恒例の原爆の話(毎年同じような)を展開します。

YouTubeでこんな話をしている人がいました。
「原爆の恐ろしいところは3つ、熱線、爆風、放射線。助かりたいなら地下鉄に潜り込め、それが無理なら頑丈な建物の中に非難しろ」
この発言はおおよそ正しいのですが、冷静に考えてみる必要がありそうです。

こんな説明もあったりします。
「この範囲にいた人たちは熱で焼かれ、爆風で吹き飛ばされた」

1) 熱で焼かれたのか?

原爆の核分裂のエネルギーは核のカケラが運動エネルギーとして持って出ます。
直後にカケラ同士は激しく衝突して、エネルギーは多くが赤外線や可視光線に変化します。
熱線照射はどのくらい続くのか?
インドでは燃やした炭の上を駆け出して走って見せる超人がいたりします。
日本のテレビ局が同じことをしましたが大火傷でした。
どのくらいのエネルギーを何秒間浴びるのか?が問題になります。

原爆の熱線放射は一瞬(0.01秒以下)の話です、強烈な熱線が人々を襲います。
直接浴びれば皮膚の表面は蒸発してしまうのかもしれません。
衣服を着ていたらどうか?
衣服の表面は蒸発しますが、一瞬の話ですから皮膚まで直接届く熱は少ない。
衣服が燃え上がって、その熱で火傷をする事になります。
顔や頭は直接熱線を浴びる事になります。

日傘をさしていたならどうなるのか?
傘は蒸発しますが、一瞬の話ですから中の人の被害は少ないと思われます。
着物を着て原爆にあって、着物の黒いところだけ火傷になった写真がWikなどの見られます。
黒いところに目が行きますが、白いところは火傷を免れている。
熱線と肌の間に一枚何かがあれば被害は大きく違ってきます。

周辺では地面の表面から蒸発した熱気が漂います。
一瞬の加熱ですから灼熱地獄になる事はないでしょう。
直接、原爆が発する熱で焼かれる人は一瞬の話なので案外少ない。
火災、特に大火災で生じるつむじ風(火砕流)は多くの人命を奪います。
火砕流は向こうから襲い掛かって来ます
危険な「この範囲」にいても、直接熱線を浴びなければ、火災に巻き込まれなければ熱で焼かれることはありません。
予め爆弾の襲来が予想されているなら、熱線の直射に対する工夫をすれば、大火災からの逃げ道を確保できれば、むやみに恐れるものではありません。

2) 爆風で吹き飛ばされるのか?

TNT火薬では1kgの個体が730L/kgの気体を生成します。
1トン爆弾ではこの千倍の気体が作られ、それだけの周囲の空気を吹き飛ばします。
1ktとなると、730x10^6Lですから作られる球体のサイズは半径が120m。
爆心から半径120m以内にいる人はぶっ飛ばされるでしょうし、1km以内にいる人も排除された空気の爆風を浴びる事になります。

原爆の場合はどうなるのか?
分裂して核のカケラが飛び出します。
多くが衝突し合って、エネルギーは赤外線などの電磁波になります。
周囲の空気が吹き飛ばされることはあるのか?
高温になってカケラがすべて気化すると、どのくらいの体積になるのか?
長崎の原爆では2.5トンの火薬を使っていますから、この分の爆風は生じますが、そのほかにどんなメカニズムで爆風が生じるのでしょうか?

超高温の中では、1個の元素は電子が励起する為に、常温より大きな体積になります。
キノコ雲が作られています。
あれは爆心の空気が吹き飛ばされて、中央が一瞬真空状の球体になり、それが周辺の気体を吸い戻して形成されるものです。
原爆でも膨張により相応の体積の気体が生じて、周辺を吹き飛ばしたからキノコ雲が出来たのです。
それでも、原爆のエネルギーは長崎のケースで1トン爆弾の2万倍ですが、1トン爆弾の2万倍の気体が生じたとは思えせん。
数個~数十個分にもなるのかどうか?

ツベに原爆実験の画像が載っていて、砂漠でTNT換算61kt相当の実験をしたところ、クレーターが出来て直径400m深さ100ⅿだそうです。
これ地上で爆発させたようです。
上空600mで爆発させるとどうなるのか?
どう考えてもクレーターのサイズは小さくなりそうです。
原爆なしで2.5トンの火薬を爆発させると、キノコ雲はできるのか?
どのくらいの大きさのクレーターが出来るのか?
実験してみて、その差を検証したいものです。

広島の原爆ドーム、長崎の浦上天主堂、ググって画像を見れば、破壊された状況を見ることができます。
これれをどう見るのか?
広島のドームは吹き飛ばされずに残っています。
浦上天主堂も前面の高い部分は残っています。
戦前のレンガ造りの建物がつぶれている部分もあります。
上からの圧力で天井が落ちた、横からの圧力は少なかったので尖塔部分は崩れなかった。
相応の爆風は受けたのでしょうが、爆心直下でこの状態ですから、この範囲にいた人たちを全員吹き飛ばすような爆風が生じたとは思えない。
生じたとしても、爆心直下の狭い範囲に限られると思います。
地上で爆発したのであれば爆風は横風になりますが、上空500Mからでは強い横風が吹くようには思えません。

北朝鮮では実験室が爆圧で破壊されています、しかし上空600mで爆発が起きるとして、TNT火薬を思い描いて恐れるのは誤りです。
あちらではどれ程の火薬を使って爆縮を行ったのかも情報がありません。
最後の実験は二個の原爆を破裂させたと考えています。
これ迄以上に大量の火薬を用いた実験が実験室を破壊している可能性もあります。
原爆の場合、物陰にいれば爆風の被害は少ないと考えます。
建物の中で爆発させればレンガがぶっ飛んでくることになりますが、上空600mの爆発での上からの風で、地上のブロックや石ころが飛んでくとは思えないのです。
爆心直下付近にいれば爆風を受けるのでしょうが、瓦礫が吹っ飛んで来るという光景にはなりそうもありません。

NHKの特集番組では熱放射を受けて、腕の皮膚が裂けて、手をブラブラさせてヨタヨタ歩いている人が描かれていました。
そんな傷を受けたらヨタヨタ歩けるわけがない、地面に倒れ込んで悶え苦しむ筈なのです。
爆風は熱風なのか?
熱放射で腕が裂けるにしても、熱風を浴びたとなれば腕が裂けるどころの話ではない、0.01秒の話が1~2秒の話になる。
全身大火傷で立ってはいられない。

爆風や熱風の話はいまいち信用が出来ません。
空気は簡単に暖められて高温になるものではありません。
赤外線の照射は厳しいものですが、熱風や爆風の被害については私は疑問に思っています。
心配するなと言っているのではありませんが「石が飛んできてビルのガラスを破り、その破片を浴びて怪我をする」という話、私は信用していません。
爆心近くでは窓ガラスが割れる話がありそうですが、瓦礫が空中を飛ぶとは思えません。

3) 放射線の影響は?

「放射線」とはどのようなものを指すのか?
1)初期放射線
核分裂直後に作られた核のカケラは半減期が短く、崩壊を繰り返してセシウム137などよりも強いベータ線、ガンマ線を放射します。


この図にある通りベータ線もガンマ線も空気中の飛程は数十メートル
500m以上の上空から地表に届く事はありません。

2)残留放射線
核のカケラの崩壊が進んで安定物質が作られる手前のカケラは、半減期が長いので地表に落下すると半減期に応じた期間ベータ線、ガンマ線を放出し続けます。
残留放射線の影響はNHKの特集番組で被曝翌日現地入りして救助に当たった賀北部隊約100名の追跡調査結果が報告されていますが、放射線の被害はないようです。
放影研も「残留放射線の被害はない」との判断です。
爆発直後の高温で気化して、空高く拡散した核のカケラが、人体に影響を及ぼす程の量集まって来るとは思えないのです。

問題になるのは中性子線です。
核分裂1回に付きプルトニウム爆弾では1.5~2個の新たな中性子が発せられます。
一瞬の被曝ですが中性子線被曝は量を浴びれば人体に大きな影響を与えます。
傘を差している、建物の陰に隠れるくらいでは中性子は障害物を透過して人を襲います。
中性子線被曝については後日取り上げますが被曝すると深刻な影響を受けます

中性子線は十分な量の「水素原子」を間に置けば、水素原子に衝突する毎にエネルギー量は半分になって行きます。
十分な厚さの水の壁≒土の壁≒人の壁を隔てれば被害を免れる事が出来ます。
人ひとり間に置けばエネルギーをおおよそ半分に出来ます。
4人を間に置けば16分の1になります。
満員の人ごみの中でしゃがめば助かるかもしれません。

頑丈な建物の中くらいでは助からないと考えておくべきでしょう。

冒頭にあるように地下鉄に逃げ込むのは有効です。
30分前に都心で爆発する事が予告されているのなら、
神田川に飛び込んで南側の壁に身を寄せて下さい。
隅田川に飛び込んで西側の壁に身を寄せて下さい。
青山学院の学生さんは坂を駆け下りて、明治通りの北面歩道でしゃがんでください、「青山」が熱線も爆風も中性子線も遮ってくれます。
但し北朝鮮のミサイルは代官山上空で破裂する可能性があります、その時は悪しからずご容赦の程を。
中性子線とは言え、むやみに怯える事はないのです。

東京に原爆が落ちると殆どの人が死ぬかのような発言をする人がいますが、多くが中性子線被曝の何かも知らないシロウトです。
大火災が起きて甚大な被害が出そうですが、手順を心得て火災から逃れる事が出来れば命を失う事はありません。
広島も長崎もバラックという名の焚き木が一面に広がっていました。
現代では状況が違うようですが、自動車と言うガソリンタンクがそこら中に置いてあります、大火災でどんな燃え方をするのか?注意が必要です。

環境省その他の放射脳症患者の話の中に「中性子線被曝」に関する説明がないのは問題です。

原爆は火炎放射器(又は焼夷弾)と中性子爆弾が合わさったものと考えて良いでしょう。

(参考)

誘導放射線の説明があったりします。
高速の中性子が地表の物質(原子)に衝突すると、その原子が放射性物質になって放射線を放つそうです。
高速の中性子が原子に正面衝突すると、玉突き衝突となって衝突した中性子は停止して、同じ質量の陽子か中性子がその原子から出て行く。
陽子が出て行った場合には原子番号が一つ減った物質が作られる。
炭素12に正面衝突した時にはホウ素12が、酸素16では窒素16が作られる、これらはセシウム137の10倍近いエネルギーを放出しますが、半減期がマイクロ秒、数秒の長さです。
窒素14に正面衝突した時には炭素14が作られる。
カルシウム40に正面衝突した時にはカリウム40が作られる。
この二つはおなじみの体内放射性元素。
誘導されて作られる放射性物質は完全に分散されて作られます。
作られる原子は1個だけ、1ヶ所に固まる事はありません。
崩壊の一瞬だけベータ線・ガンマ線を放つのですが1回で終わりです。
こんな放射性物質が人体に影響を及ぼすとは考えられません。

(一言)

更新は1日置きに行う予定です。