低線量被曝 | 夢破窓在のブログ

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低線量被曝

5月11日の池田信夫さんのブログを見ていたら、2011年末にNHKが放送した番組が話題になっていました。

追跡・真相ファイル
低線量被曝 揺らぐ国際基準


NHKの事だから、どうせ出鱈目、見るのは嫌だったのですが参考までに覗いてみました。
いや酷いの何のって・・・。

当時話題になっていた千葉県柏市のホットスポットで線量の計測をするところから始まります。
4.8mSv/年
ICRPは100mSv/年で問題はないと言っているが大丈夫なのか?


[ 世界の高線量地域 ]

ラムサール(イラン):
屋内線量の最大値は28μGy/h=245.3mSv/年 、壁表面では130μGy/hにも達する。

陽江(中国):
粘土地層でのレンガ造り。 1.7~3.4μSv/h=14.9~30 mSv/年

デンバー(アメリカ)      4mSv/年
ローマ(イタリア)     2.2mSv/年
ロンドン(イギリス)    2.2mSv/年
ソウル           2mSv/年

******

千葉の柏の線量は雨に含まれる水酸化セシウムが「水はけの悪い場所で濃縮」して作られたホットスポットにセンサーの先を近付けて測定した数字です。
どこでも4.8mSvという話ではありません。
高線量地域の数字は事故前からわかっていたものです。
何処でも4.8mSvだったとしても高線量地域に比べて騒ぐ話ではありません。

ICRPの100mSv/年については、NHKの言う通り科学的根拠はありません。
ラムサールの数字と比較すればわかります。
典型例は世田谷のお婆ちゃんの例です。
確かこの年の夏ごろに話題となっていたのではないか?
だとすればNHKの放送前の話です。
世田谷のお婆ちゃんの家の前の道路から3.35マイクロSv/hrのガンマ線が観測されました。
ガンマ線の被曝量は距離の2乗で減衰します。
お婆ちゃんのベッドと縁の下の収納にある核種との距離は2m、核種と道路の測定点までの距離が10mだと仮定すると距離の比は、
 10÷2=5
5倍です。
2m離れた場所の被曝量は、10mはなれた場所の25倍となります。
 3.35x25=83.75マイクロSv/hr
年間被曝量は、
 83.75x24x365=733.65ミリSv/年
お婆ちゃんは寝たきりだったわけではありません、台所で作業をしたり、買い物にも出かけたと思いますが、就寝時間が一番長い。
年間被曝量は500ミリSv/年程と想定されます。
10年以上をそこで過ごし、90才を過ぎてもお元気でした。
ご家族に障害が出たとの話も聞きません。

ノルウェーのサーメとい場所でトナカイの肉を食べてガン患者が増えた。
当時年間0.2ⅿSvの放射線が観測されいたがて、怖くてトナカイの肉が食べられないという話。
チェルノブイリまでの距離が1500km、この間には食用にされる幾多の動物が飼われている事でしょう。
サーメという場所はGマップでは見つかりませんでしたが、北部と言っていますから、それより南のオスロ、ストックホルム、バルト三国、などの牧場ではサーメより多くの放射性物質が降り注いだ筈です。
この内の幾つかでも訪ねて、汚染がどれ程なのかを示さないと、トナカイが汚染されていたとしてもチョルノービリ事故が要因とは断定できない。
チョルノービリとは無縁の場所のトナカイも調べてみる必要があります。
標準的な体重の人間の体の中では4100ベクレルのカリウム40が崩壊しています。
この人の体重が60kgだとして、1kg当たりの崩壊量は68.3ベクレル。
この内でガンマ線は7ベクレル程。
トナカイも生き物ですから似たようなカリウム摂取量でしょう。
カリウム40のガンマ線のエネルギーはセシウム137の2.2倍です。
年間被曝量は51.63μSvになります。
観測された0.2mSv(=200μSv)が通常の観測所の数値だとして、これをトナカイが摂取していたとしてどれだけ体内に蓄積されるのか?
全て蓄積されていたとしても、この肉を食べて影響が出る事は考えられない。

本当にガン患者は増加しているのか?
増加の要因はチョルノービリ事故以外に考えられないのか?
本当に食べる肉の量を減らしているのか?
全てがNHKの都合のいいように歪曲された話です。

イリノイ州シカゴ郊外の話。
原発の近くに住んでいた女性が井戸水を飲んでいたら脳腫瘍を発症。
放出する汚水には放射性のトリチウムが含まれている。
トリチウムがどのような影響を及ぼして脳腫瘍に至るのか?
何の説明もありません。
井戸水には他の汚染物質が含まれていたのではないか?
井戸水以外に脳腫瘍の原因が存在していたのではないか?
脳腫瘍発症者が本当に過剰だったのか?
トリチウムが崩壊した時のベータ線のエネルギーは0.0186Mev
ベータ線は電子の流れです。
人体には自由電子がそこいら中に存在し、中にはこれ以上のエネルギーを持つものも頻繁に現れます。
私は医者ではありませんが、0.0186Mevが脳腫瘍の原因になるとはとても考えられません。
人体ではトリウムの何十倍、何百倍ものエネルギーを持つベータ線を発するK40、C14が7000ベクレルも崩壊しています。

低線量のリスクをめぐる議論は、実は1980年代後半から始まっていました。基準の根拠となっていた広島・長崎の被爆者データがこの頃修正されることになったのです。それまで原爆で1000ミリシーベルトの被曝をした人は5%ガンのリスクが高まるとされてきました。 
それが日米の合同調査で、実際はその半分の500ミリシーベルトしか浴びていなかったことがわかったのです。半分の被曝量で同じ5%ということは、リスクは逆に2倍になります。しかしICRPは低線量では半分のまま据え置き、引き上げないことにしたのです。 


広島・長崎でのガン患者は原爆とは関係ありません
500ⅿ上空で放たれたガンマ線は地表まで届きません
半減期が長い放射性物質は高温の熱球と共に空高く昇り、広く拡散しました。
一部が夕立で地表に届いたようですが、人体に影響を与えるほどの量が降下したとは考えられません。
ガンになり易い遺伝子・食生活を持った人々が焼け跡に大挙進駐しました。
亡くなった人の多い場所ほどガンの過剰が報告されました。

池田信夫さんはかって「NHKヤラセ問題」について語っていました。
「土砂崩れが多い場所、という報道をするのに土砂崩れを待ってはいられない。上から多少の土砂を落とすような細工は許されるだろう」
これには私も同意しますが、あの「ヤラセ」は、馬など所有していない少年が愛馬を失って嘆き佇む情景を捏造していたから批判されたのです。

今回の報道も科学的な考察、比較は全く行わずに、根拠・裏付けも示さずに、ガンが増えたという噂の場所に行って全て放射性物質が原因だと断定して報道をしています。

 4.8mSv/年は山口市やソウルに比べてどれ程差があるのか?それは人体に影響を及ぼす程のものなのか?
 ノルウェーのサーメ以外の場所やフィンランドのトナカイと比べて見たのか?そこでもガンは増えているのか?
 イリノイ以外の原発の周辺のトリチウム測定したのか?脳腫瘍は増えていたのか?

丸々「ヤラセ」捏造番組になっています。

http://www.aesj.or.jp/~snw/media_open/document/nhk_bpomojiokosi120628.pdf

( 終 )