核のゴミ その9 処分場(外国) | 夢破窓在のブログ

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核のゴミ その9 処分場(外国)

「核のゴミ」の処分を外国ではどのようにしているのか?
元首相が北欧で見学して来た話ばかりが大きく報道されています。
なぜ10万年の保管の話が出ているのか?私には理解できません。
10万年たっても自発核分裂によって放たれるガンマ線や中性子線の量が減るとは考えられないからです。

ネットで外国の使用済み燃料処理に関する情報を幾つか拾ってみました。

2023.02.19  朝鮮日報
韓国の原発内に臨時で保管されている使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)の飽和時期が当初の2031年から1-2年早まった。原発内に使用済み核燃料を保管する場所がなくなれば、無条件に原発の稼働を中止しなければならない。使用済み核燃料を永久的に廃棄、保管する施設をつくる前段階で、原発敷地内に保管する乾式貯蔵施設を設置するのに少なくとも7年かかるという点を考慮すると、対策が急がれる。  
(中略)
昨年末現在で原発の使用済み核燃料保管プールの貯蔵容量飽和率は古里原発が87.5%、ハンビッ原発が77.9%、ハンウル原発は74.7%だ。プールが満杯になり、これ以上原発を稼働できない危機が目前に迫っているのだ。韓国の原発で唯一乾式貯蔵施設がある月城原発は、乾式貯蔵施設7基の増設が20年に承認を受け、稼働中断の事態を免れた。韓国水力原子力関係者は「もし乾式貯蔵施設の建設承認が先送りされていれば、計2.1ギガワット規模の月城2、3、4号機が昨年3月以降、ストップするところだった」と話した。

2014.10.20 0:28 ダイアモンド オンライン
(抜粋)
韓国では、運転中の原子力発電所は23基ある。これは世界第5位。その韓国が長年の悲願として米国に要望し続けてきた「使用済核燃料の再処理」について、制限的ではあるが、米国が韓国に対して容認する方針を示したと報じられた。記事では、韓国の政府と科学界の消息筋の話として、「米国が、韓国内での使用済核燃料の取り扱いを認めることを決めた」とし、「遮蔽施設“ホットセル”での制限的な再処理を米国が了解した」としている。

 これまで、非核保有国でウラン濃縮と使用済核燃料の再処理が国際的に認められているのは、平和利用に徹して核不拡散に繋がる技術を採用・実証している日本だけである。この東亜日報の報道はやや前のめりで、韓国政府が正式に認めた動きではない。だが、火のない所に煙は立たない。日本政府は、いつまでも無関心を装い続けていてはいけない。

米国では現在、軽水炉から排出された約8万6,000トンの使用済燃料が全国70か所以上の原子力発電所で安全に保管されているが、この数量は年間約2,000トンずつ増加している。これらの使用済燃料には90%以上のエネルギーが残っているものの、すべて地層処分することが決まっている。

◎処分方針(使用済燃料の管理方針) 
中国では、核燃料を十分に活用するため、軽水炉(PWR など)から発生する使用済燃料は再処理し、発生する高レベル放射性廃液をガラス固化した後に処分する方針です。
ただし、天然ウランを燃料として用いる加圧水型重水炉(PHWR)の使用済燃料は再処理せず、直接処分します。
これらの廃棄物は、高レベル放射性廃棄物に区分されています。 
中国における放射性廃棄物の全般的な管理方針は、2003 年 10月施行の「中華人民共和国汚染防止法」で規定されていましたが、2018 年 1月施行の「原子力安全法」でもほぼ同様の内容が条文に盛り込まれました。この法律では、高レベル放射性廃棄物は集中的に地層処分を行うとしています。


これらの情報はそのまま鵜呑みにして良いものかどうか疑問はあります。
翻訳している人の知識レベルもどれ程のものなのか?
地層処分」とは具体的にどのような事を行うのか?
地下に埋めるだけの話を「地層処分」と呼んでいるのではないか?

北欧以外の各国の処分場の状況は政府も電力会社もわかっているのでしょうから国民にわかり易く説明するべきです。
電力会社はなるべくお金がかかる方法を選択して、電気代の値上げのタネにしようとすると思います。

日本は六ケ所村に処理工場があるのですから、粛々と稼働させて、資源を利用するべきです。
なぜ六ケ所村の始動が遅れているのか?
フランスでやっている再処理を日本の技術で出来ないとは思えません。
原発の再稼働が遅れ、六ケ所村の始動が遅れるほど、馬鹿高い電気代の状態をを維持できるからです。
電力会社は国民の事などこれっぽっちも考えていません。
六ケ所村の再処理燃料が外国から買う燃料より高くなる、これに備えて積み立てをしてはいるようですが、少しでも安い燃料でやって行きたい、そんな腹積もりも透けて見えます。

「何処かでブラックアウトでも発生しないかな」
そうなれば向こうから原発を稼働させろと要求して来る。
「そうおっしゃるなら仕方がない」というよな顔をして再稼働。
後は「福島の廃炉に莫大な費用が掛かる」などと言って、ブルーシートをかけて放置しておくだけで良いのに、億単位のカネを投入。
再エネの購入費の負担が・・・、六ケ所村からの燃料の購入が・・・。
馬鹿高い電気代の現状維持を目論んで、兆単位の原油代を浮かしてウハウハ

外国の「核のゴミ」処分状態を政府はわかり易く説明するべきです。
六ケ所村の稼働が遅れている原因をフランスの再処理工場と比較した上で説明するべきです。
再処理をして再利用したとしても、燃え残る重たい元素は残ります。
5千年、1万年もすれば崩壊して一部がウラン236はトリウム232に、プルトニウム239はウラン235になります。
これらはトリウム炉や軽水炉の燃料になります。
そんなに待てるか、というのではなく、この辺の理屈を理解した上で「核の資源」として「保管」するのだと考えるべきなのです。
「ゴミ」などと呼称するのはやめるべきなのです。

(追記 1)
「再処理」を核拡散と結びつける報道がありますが、「核のゴミ」から核爆弾を作るのは意味が無かったり、不可能だったりします。
核爆弾で使用されるのは95%濃度以上のウラン235、プルトニウム239ですが、核のゴミを精製してこの濃度の燃料を得るのは馬鹿げています。
ウラン中のウラン235の濃度は1%でこれを95%まで生成するのは、イエローケーキ(0.7%)から精製するのと大差ありません。
莫大な電力が必要であり、現行の原発の燃料(3.5%)から作る方が「ゴミ」を濃縮するより楽で安く上がる理屈です。
プルトニウムは「ゴミ」から分離すればプルトニウム239の濃度は58%ありますが、その中に24%のプルトニウム240があります。
原子量が”1”しか違わない物質を遠心分離するのは不可能に近い。
プルトニウム240の存在は、自発核分裂の高さからして、爆弾の臨界のタイミングが制御できなくなります。
「日本は数ヶ月で原爆を作ることができる」
「日本は原爆xx発分のプルトニウムを保有している」

これ(真っ赤な)です。

(追記 2)
「使用済み燃料を電力会社は資産に計上している。六ケ所村が稼働しないと使用済み燃料はまさに「ゴミ」、電力会社は資産の価値がゼロになって大赤字になる。」
こんな発言をする輩(池上彰その他)がいます。
この人たちは複式簿記を知っているのか?
資産を計上するには経理伝票を発行します。
借方科目に資産を計上したなら貸方に同額の支払い科目が計上されている筈です。

金(カネ)も払わずに「ゴミ」を資産として計上するなんて事は税務署は許してくれません。
電力会社が支払ったお金を預かる組織があると思います。
将来六ケ所村からの割高な燃料を買う為の資金です。
六ケ所村の建設費などは、その組織からお金を借りて建設をしている可能性はありますが実態は知りません。

使用済み燃料が「ゴミ」となる事が決定したら、電力会社は貸借が逆になった伝票を発行する為に、預けたお金を返せと言う話になる。
預かった組織がカネを返せないとなれば政府が立て替える事になる。
電力会社が赤字になる事はないでしょう。

(一言)

「核のゴミ」 完