疑問符の11: ヘリ放水 | 夢破窓在のブログ

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 疑問符の11: ヘリ放水

4回にわたり30トンの水を落下させたのだそうです。
1回当たり7.5トンになります。

燃料棒のラックを破壊し、燃料棒を傷つける意図をもってこれを行なったとしか考えられません。

協力した自衛隊の方々には頭が下がりますが、今回様々な愚挙を見ることが出来ますが、このヘリ放水は最悪の、幼稚な行為です。

使用済み燃料プールの水なんて、見る見る内に蒸発して無くなってしまうなどと言うものなのでしょうか?
ボコボコ湯気が立ち上がっていたのでしょうか?

使用済み燃料プールの燃料棒集合体は、停止後炉の中で半減期の短い放射性物質の崩壊が終わってからプールに移されます。半減期が短い沃素131などは崩壊が殆ど終わっています。半減期が30年近いセシウム137やストロンチウム90などが崩壊してエネルギーを出し続けていますが、プールの水を干上がらせるにはどれくらいの日数を必要とすると見積もったのでしょうか?
消防車で散水すれば十分だったのではないでしょうか?

何か劇的なパフォーマンスして見せて、俺達はこんなに頑張っているんだと示そうと考えた?そんな疑いを持ちたくなるほどの馬鹿な行為でした。

プールの水が干上がったらどうなるのでしょうか?
700℃以上になれば燃料棒が熱で損傷する?
あれは水蒸気があったから酸化したのです。
カラカラになったのでは相手役がいません。
空気中の酸素と結びつく?
湿気は飛んでいます、水蒸気から酸素を奪う話とは随分違ってくると思います。

ペレットからの熱でジルカロイ合金が熔解する?
融点は1500℃です。空気は熱く立ち上り、わきから福島の寒空の空気が入り込んで対流を起こします。
水冷していたのが空冷になるのですが、1500℃まで行くのでしょうか?
実験をしてみれば判ります。コンクリートのプールの中に燃料棒を何本かセットして水は無し、青天井の元でどうなるかを調べてもらいたいものです。

めでたく?被覆管が損傷して、鞘の中からセシウム登場。
あれ、水がない?
水があればボコボコ水素を出して水酸化セシウムが登場する筈でした。
空気と共に対流で入り込んでくる湿気と結びついて僅かに生成されるのでしょうが、圧力容器の中で十分に親和させた蒸気とは全く拡散する量が違います。

水酸化セシウムが滲んでくるようなら、ドライアイスを放り込みます。
冷やすのが目的ではありません。
水酸化セシウムを炭酸セシウムに変えるのです。
そうなれば空に滲んで行くことは出来なくなります。

プールの中の何本もの被覆管の損傷が確認できているのなら、ヘリが登場しても構いません。
砕いたドライアイスを放り込みます。
水を落としたらどうなるのか?
ジュッという音と共に水蒸気が立ち上がります。同時にセシウムは水素をボコボコ出して水酸化セシウムになります、そして蒸気に付いて行きます。
問題なのは立ち上る蒸気の量ですから、水酸化セシウム水溶液が出来るだけに終わるのなら水を落としても構いません。
水を落とすならば希硫酸水や希塩酸水にするべきです。出来た水酸化セシウムをその場で化合して変化させる事が出来ます。ドライアイス同様の効果が期待できると思います。

命を懸けた自衛隊員の皆様は英雄です。
あの程度のセシウムで身体に影響があるとは思えませんが。
こんな馬鹿をやらせた責任者に対する批判の声が聞こえてきません。
無知なりに頑張ったんだから、大きな被害が出たわけじゃないのだから、今更騒ぐ必要はないという意見はあっても良いのですが、あれがいかに馬鹿げた行為であったかはハッキリさせておくべきでしょう。

燃料棒集合体の発熱量は半減期が短い放射性物質の崩壊が終わった後では、私の計算では1本あたり500Wも行きません。
炉内で半減期が短い放射性物質が崩壊している燃料棒と、数ヶ月以上、物によっては1年以上も経っている燃料棒では発する熱量が違います。
これが千本入っていれば500KWという事なのですが、プールの容量は満水で1425立方メートルあります。
1200立方メートルが実際に入っていたとして、燃料棒集合体1本当り1.2立方メートル=1200リットルです。
500Wの電気コンロで120リットル入りの寸胴鍋10個を暖める計算です。
ゆらゆら湯気が上がるのかもしれませんが、消防車をぶっ壊してまで、顔色変えて放水を叫ぶ話ではありません。
あのおっさん和牛の飼育には詳しいのですが、放射性物質の崩壊熱量に関しては全くの無知。完璧に無知。
そんな人が現場に指令を出していたのですね、恐ろしい事ですね。現場の対処には口を出さず専門家に任せるべきだったのは言うまでもありません。