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嘘の参拾伍 「4億ベクレル」

毎日新聞 2014 7月14日 22:38

東京電力福島第一原発で昨年(2013)8月のがれき撤去時に放射性物質が飛散し20キロ以上離れた福島市南相馬市の水田を汚染した可能性がある問題で、東電は14日、同原発からの放射性セシウムの総放出量を最大4兆ベクレルと試算していたことを明らかにした。しかし「かなり大づかみな計算」として公表せず、市にも伝えていなかった。
東電によると、敷地内や同県双葉、波江町のモニタリングポストで実測した空間線量の上昇度合い、気象データを基に放出量を試算。
がれき撤去で放出されたのは1時間当たり1000億~1兆ベクレルで、放出時間はは計4時間と推定した。4兆ベクレルは事故後の福島第一原発から一日に放出される放射性セシウムの1万倍以上に上る。
南相馬市には、セシウムが1平方センチ当たり0.04ベクレルが沈着したと見積もった。(以下略)
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1c㎡あたり0.04ベクレル。
南相馬市の面積は398.5k㎡。平方c㎡に換算して398.5x10^10c㎡。
 398.5x10^10x0.04=1.594x10^11
4兆ベクレルの内のこれだけ降ったのですから、
 1.594x10^11÷4x10^12=3.985x10^-2
約4%程が南相馬市に降り注いだという事のようです。
もし4000億ベクレルが正しいとすると40%が降り注いだことになります。
確かに大掴みですね。

10㎡(=10万c㎡)あたりの崩壊量は、
 1x10^5x0.04=4x10^3Bq
1ベクレルあたりのCs137の崩壊熱量は0.6617MeV。
 4x10^3x0.6617=2.65x10^3MeV
ジュールに換算して、
 2.65x10^3÷6.24x10^12=4.24x10^-10ジュール
このエネルギー全てを体の表面の部分の30kgの体で受け取ったとして、1kgあたり、
 4.24x10^-10÷30=1.413x10^-11Gy(=Sv)
1.413x10^-5マイクロSv。1時間当たりでは、
 1.413x10^-5x60x60=5.09x10^-2マイクロSv/hr

現在の東京のモニタリングポストの値(0.05マイクロSv)と同じということになります。
4000億ベクレルが正しいのなら東京の10分の1です。
こんな量で、なぜ新聞で騒がねばならないのか?

4兆ベクレルのガンマー線を放出するセシウム137の塊が距離20mを隔てて存在したとします。
被曝量は、人体を0.68㎡(170x40)として、
 [4x10^12÷{3.14x(20x2)^2}]x0.68=5.4x10^8Bq
1ベクレルあたりのCs137の崩壊熱量は0.6617MeV。
 5.4x10^8x0.6617=3.58x10^8MeV
ジュールに換算して、
 3.58x10^8÷6.24x10^12=5.74x10^-5ジュール。
体重60kgの人が体の前面15kgでこの電磁波を受けると1kg当たり、
 5.74x10^-5÷15=3.83x10^-6Gy(=Sv)
3.83マイクロシーベルト/秒
1時間あたり、
 3.83x60x60=13788マイクロSv=13.8ミリSv/hr
ざっとこんな被曝量になります。

これが四散した結果4%が南相馬市全域に降り注いで、最大値が正しかったなら0.0509マイクロSv/hrという東京都並みの被曝量が増加したという話なのです。

今現在の東京に「1平方センチ当たり0.04ベクレルが沈着した」としたら被曝量合計は0.1009マイクロSv/hr。
山口県の人々が日常浴び続けている平常値0.128マイクロSv/hrより少ないのです。


4兆ベクレルが事故後の1日の放出量の1万倍ということは、事故後の1日の放出量は、
 4x10^12÷1x10^4=4x10^8Bq=4億ベクレル
「事故後の1日の放出量」という意味が不明なのですが、2ヶ月間毎日これだけけ放出したとしたら累計は240億ベクレルになります。
原子力災害対策本部というところが事故の年の6月に発表したセシウム137の放出量は1.5x10^16ベクレルです。
この発表資料は国連に提出したものなのですが全くアテになりません。
なのですが比較してみます。
 2.4x10^10÷1.5x10^16=1.6x10^-6
毎日新聞はこの記事で、事故後の福島原発からのセシウムの放出量は原子力災害対策本部が主張する数字の160万分の1であると言っているわけです。

「事故後の福島第一原発から一日に放出される放射性セシウムの1万倍以上に上る。」
は明かに嘘です。

水酸化セシウムは水分が蒸発するとこれに付いて行って滲んで行きます。事故後しばらくはこの滲みが継続したと思われます。どんどん拡散して薄くなります。騒ぐ話ではありません。

こんな話で騒いでいては山口県には住めません。