「優しい男はモテない」——この言葉に、正直ハッとさせられました。倫理法人会のモーニングセミナーで、川口市倫理法人会の泉淳子専任幹事の講話を拝聴しました。テーマは「選ばれる人になる実践」。結婚相談所を経営する立場から、現代の人間関係や結婚観について実体験をもとに語られた内容は、非常に示唆に富むものでした。
泉さんはまず、「優しさ」の本質について問いかけます。一般的に優しい人は好かれると思われがちですが、現実はそうではないと言います。ここでいう優しさとは、「相手の思いに勝手に合わせること」。つまり、相手に嫌われないように、自分の考えを抑えて相手に迎合する姿勢です。しかし、このような関わり方では、相手の心を動かすことはできず、結果として“選ばれない”存在になってしまうのです。
では、選ばれる人とはどのような人なのか。それは「与える人」であるといいます。ただし、単に与えるのではなく、相手をよく理解した上で、利他の心をもって価値を提供できる人です。相手の状況や考えを深く理解し、その人にとって本当に必要なことを伝え、行動できる人こそが、信頼され選ばれていくのです。
また、現代の若い世代においては、出会いがあっても関係が前に進まないケースが増えているといいます。その背景には、自分に自信が持てない、人と正面から向き合うことができないといった「人間力」の課題があります。条件や環境ではなく、根本的な人間力の差が結果を分けているという指摘は、非常に重みのあるものでした。
さらに泉さんは、人間力を養う具体的な方法として、倫理法人会でのお役を受けることの重要性にも触れられました。役職を担うことで、利他の精神が育まれ、さまざまな人との関わりの中で苦労や葛藤を経験します。その中で、物事を自分本位ではなく相手本位で考える力や、困りごとに対して主体的に向き合い、解決へ導く力が自然と身についていくのです。こうした積み重ねこそが、人としての厚み、すなわち人間力を高めていくのだと感じました。
この学びは、そのまま仕事にも通じるものです。私の会社の朝礼でも、この内容を共有しました。お客様の言うことをそのまま聞くだけでは、それは本当の優しさではありません。ただ合わせているだけでは、相手の期待を超えることはできず、選ばれる存在にはなれないのです。大切なのは、お客様をよく観察し、その背景や本音を理解した上で、最適な提案を行うことです。その積み重ねによって信頼関係が生まれ、はじめて「この人に任せたい」と思っていただけるのだと改めて実感しました。
優しさだけでは伝わらない。理解し、与えることで信頼が生まれる。そしてその土台となるのが人間力である——今回の講話は、自分自身の在り方を見つめ直す、大変貴重な学びとなりました。
前回の「選ばれる人になる 講話 川口市倫理法人会 泉淳子専任幹事」の追記となります。
