多巣性運動ニューロパチー(MMN)について詳しく調べてみた。私は自分では多巣性運動ニューロパチー(MMN)の可能性が一番高いのかなと思っています。患者自身が病気の勝手な判断をすることはよくはないが、CIDPは鑑別が難しく難治性の病気であり、詳しいことはわかっていない。必ずしも治療が正しいとは限らず、マイナスに働くこともある。そういった場合は、勇気を持ってその治療を中止する必要があり、自身の体のことをよくわかっている患者自身が主治医に訴えることも大事ではないか。そういった意味でも知識を蓄える必要はあると思う。

 

多巣性運動ニューロパチー(multifocal motor neuropathy=MMN)

多巣性運動ニューロパチーは緩やかに進行する左右非対称の感覚障害を伴わない運動ニューロパチーである。病状は遠位優位、特に上肢に障害されることが特徴で、握力の低下や垂れ手などもある。下肢から発症する場合、上肢近位筋から発症する場合もある。このへんは資料の新古によって内容が微妙に違うので何とも言えないが、1.感覚障害を伴わない運動ニューロパチー 2.左右非対称遠位優位 3.寒冷による増悪 4.緩徐進行性 はどこも同じであった。また比較的若年層(中央値 40歳 20~50歳で80%)男女比は3:1(1.5:1という資料もあった。)で、全国で500人程度しかいないらしい。

また、特に重要なのは

①    抗GM1-IgM抗体が陽性:約半数に検出される。

②    免疫グロブリン療法(IVIG)が奏功する。

③    ステロイド治療で悪化する場合がある。(20%程度)

 

CIDIPバリアントの患者であれば自己抗体検査を進められると思います。各研究機関に血液サンプルを送って詳しく調べてもらう。検査は公費で行われ、研究機関に送る送料のみの自己負担ですむ。これは鑑別に有効なので、担当医から進められたらぜひ受けてください。

 

[GM1-IgM抗体]はCIDPでも検出されるが陽性率はMMNと比べて低い。しかしながら、MMNの特異の抗体ではないので、鑑別には神経伝導検査で四肢に伝導ブロックが認められることが重要。ALSでも検出されるため鑑別には困難を伴う。

 

私はGM1-IgM抗体は陽性、IVIGは2回目で効いた。ステロイドは無効もしくは悪化反応があったので、やはり多巣性運動ニューロパチーかな?

症状は、指の脱力(パーができない)と膝の脱力。ただし左右対称だが病状の程度は左右非対称。感覚障害はないが、神経痛のような疼痛はある。

MMNがGM1-IgM抗体によって脱髄を引き起こしているのならば、CIDPとは異なる疾患であろう。(CIDPはIgGが悪さしているといわれている。)

MMNなのか運動型CIDPなのか多巣性CIDPなのかは、現在進行で治療が奏功しているならばどれでもいいが、治療法が確立していないならば、やっぱり気になる。現在の治療が適切かどうかの判断ができないからである。

以下にCIDP関連疾患と検出される自己抗体をまとめ、CIDPを分類図にしてみた。参考になったら幸いです。

 

■多巣性運動ニューロパチー(陽性抗体:GM1-IgM)

 遠位優位の感覚障害を伴わない運動型のニューロパチー。ステロイドで悪化する場合がある。

 治療法:免疫グロブリン療法

 

■抗MAG抗体陽性ニューロパチー(陽性抗体:MAG)

 異常蛋白血症に伴うニューロパチーに含まれる。末梢神経障害の原因で浮上するのがM蛋白血症の存在。MGUSやら多発性骨髄腫、POEMS症候群など。この辺の病気は初期の検査入院でCIDPの疑いの患者は、鑑別検査で除外をしているであろうと思われるから割愛。

 非常に緩徐な経過で進行するニューロパチー。初発症状は足先や指先の感覚障害。感覚性運動失調や上肢の振戦などがみられるが、患者の2割は非典型的な症状が現れる。CIDPバリアントの遠位型CIDPの中で抗MAG抗体が陽性のものは、CIDPから除外される。

高齢(平均66歳)で発症し、当初は感覚障害だけで日常生活には問題ないことが多い。

治療法:CIDPの初期治療(IVIG、ステロイド療法、血漿交換療法)が無効ないし限定的。B細胞を枯渇させるリツキシマブやB細胞を抑えるBTK阻害薬などが検討される。

 

■自己免疫性ノドパチー(陽性抗体:NF155・CNTN1・CASPR1)

 自己免疫性ノドパチーは標的抗原によって異なる症状を呈する。抗体の結合や癒着、補体の活性化により脱髄を起こす。四肢筋力低下、運動失調、振戦、感覚障害。疼痛は比較的顕著。

NF155抗体は若年に多く運動障害優位の四肢筋力低下。多くは亜急性で慢性的な疾患もみられる。中枢神経系の症状を併発することがある。

CNTN1抗体は高齢に多く、急速に進行する運動ニューロパチー。

CASPR1抗体は中年から高齢に多く、急性から亜急性に発症する。運動・感覚障害は重い。

治療法:IVIG・ステロイド療法には抵抗性がある。血漿交換療法は良好。リツキシマブが有効。