CIDPバリアントと診断されました。知識として詳しく調べてみた。

これを行う意味はバリアントと関連疾患は治療法が変わってくるからである。患者自身の病気に対する理解を深めることで適切な治療を選択できるかもしれないとの希望からである。

今回はバリアントのみまとめてみました。

※関連疾患とは(多巣性運動ニューロパチー・自己免疫ノドパチー・抗MAG陽性ニューロパチー)のことを指す。

※これらは私個人が調べた結果であり、内容の正誤については保証するものではありません。

 

①    多巣性CIDP

いきなりですが、多巣性CIDPと多巣性運動ニューロパチー(MMN)が同一か違うのかが分かりにくかった。比較的新しい情報だと別のものと扱っているようだ。2024年のガイドラインでは完全に別だった。よくよく調べてみると2021年にカテゴライズの変更があり名称が変わっている。上記の関連疾患はこの時に除外されたようである。

MMNとの違いは感覚障害(痛み・しびれ・ふるえなど)を伴う点。ルイスサムナー症候群及びMADSAMは多巣性CIDPと同一のようである。

多巣性CIDPは左右非対称で2か所以上に障害が現れる自己免疫疾患であり、脳神経も障害される頻度も典型型に比べて高い。感覚症状のみで筋力低下が軽度の場合や伴う場合などさまざまであるが非対称が特徴のようである。また、発症部位が上肢から始まることが多く、下肢は後から侵されるか初発から両方侵される場合もあります治療法はCIDP典型型と同じだが、IVIG(免疫グロブリン大量静注療法)に対する反応が明らかに低い。20~30%の症例ではステロイド療法・IVIG・血漿交換療法に無反応だとか。この場合は免疫抑制剤などが考慮される。

 

②    遠位型CIDP(DADS型CIDP)

四肢対称性かつ遠位優位の脱髄所見を呈するCIDPバリアント。下肢の感覚障害・運動障害から始まり、発症から少なくとも1年間は上肢の症状を欠く点が特徴。

運動障害がみられても軽度であり、感覚障害と歩きづらいなど歩行失調が主な症状になる。近位筋や脳神経は侵されない。遠位型CIDPのうち2/3は抗MAG抗体陽性ニューロパチーでありその場合はステロイドやIVIGの反応が乏しいが、遠位型CIDPはCIDPの標準治療の予後良好である。

 

③    局所型CIDP

一肢のみの腕神経叢や腰仙骨神経叢、あるいは上下肢の1本以上の末梢神経に限定して障害が呈する。きわめて稀な障害。CIDPの1%程度だとか。多巣性CIDPとの違いは、症状が局所にとどまる点。素人感覚ではこれでは局所型CIDPと診断されず別の病名と診断されることがほとんどないのではないかと思ってしまう。神経伝導検査をやって初めてわかる程度で診断されずにいる方がたくさんいるのではないかと思ってしまう。

 

④    純粋運動型CIDP

運動神経が臨床上障害され感覚症状がないタイプです。多巣性運動ニューロパチー(MMN)と似ているが比較的左右対称で近位筋(二の腕やら太もも)も含めた筋力低下も現れる。古い情報では純粋運動型CIDPの場合、ステロイドで悪化する可能性があると記載があったりするのでMMNとの混同があったのではないかと思われる。多巣性運動ニューロパチー(非左右対称かつ遠位上肢中心の症状)との大きな違いはステロイドの効果のようだ。また、純粋運動型CIDPでは感覚障害はないが神経伝導検査結果はCIDPの基準をみたす所見があること。MMNとの鑑別は結構難しいが重要のようである。

⑤    純粋感覚型CIDP

四肢の感覚障害と深部感覚障害による失調を主体とし筋力低下を伴わないタイプ。純粋感覚型は経過中に70%程度が最終的に運動症状を呈するとの報告もあり、感覚障害から先に病状が表れるCIDP。

 

CIDPの確定診断には末梢神経伝導検査による脱髄所見の確認が必須であり、典型型及び亜型では複数の神経での脱髄所見があることが求められている。多巣性CIDPでは2本以上の神経で脱髄性伝導異常(運動伝導ブロックなど)を認め、かつそれらの神経障害部位が2肢以上に分布することが必要である。

もし、脱髄所見が1本の神経にしか認められない場合は、「可能性の高いCIDP」に留まり確定診断とはならないようです。(局所型CIDPは1肢内に2本以上の神経異常)

しかしながら、感覚神経伝導検査を含めた他の検査で所見もしくは疑いがあれば支持的所見となるようです。

CIDPを疑う患者になかなか確定診断が下りないのは、所見がわかりづらい背景があるようで再検を粘り強く訴える必要はあるかもしれません。我々患者にとっては、分類はどうでもよく一刻もはやく治療をスタートさせてほしいと願っているのだから。

しかしながら、全体的にCIDPの治療反応はおおむね良好で、第一の治療(ステロイド・IVIG・PE)で約70~80%で反応し、90%近くが何らかの治療法で改善される。

長期予後も比較的良好で5年後には26%の患者が完全寛解(2年以上再発なく神経伝導も正常化)し、61%が部分寛解(歩行可能)を維持できるという研究結果がある。CIDP患者の最終的な歩行不能(車椅子依存)に至る率はわずか2~14%であり、致死率も1~11%と神経難病の中では低い部類に入るようです。

これは関連疾患も含めた数なので、CIDP典型型や亜型のみではもっと良好な結果になると思います。

 

僕は多巣性CIDPの可能性が高く、遠位型CIDP及び純粋運動型CIDPのいずれかだろうとの診断だった。

鑑別検査入院ではおそらく支持所見での診断判断だったのではないかと思われる。それでもIVIGをやってみての効果を確認することを重要視されたのだろう。