遺骨ダイヤモンドは、遺骨に含まれる炭素を取り出して、高温・高圧(HPHT)で作られたダイヤモンドです。人工的に作られるものですが、驚くべきことに天然ダイヤモンドと硬さ・輝き・組成はまったく同じ。ダイヤモンド鑑定士ですら、天然と遺骨ダイヤモンドとの見分けはつきません。
それでも、このダイヤモンドには特別な「個性」が宿っているのです。
なぜか夫は、この遺骨から作るメモリアルダイヤモンドのことを「怪しい」とは思っていないようです。その謎にも迫りながら、皆さんのこんな疑問にお答えします。
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遺骨に本当に炭素が含まれているの?
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遺骨ってカルシウムじゃないの?
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遺骨や炭素が足りない場合はどうなるの?
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ダイヤモンドができるまでの期間はどれくらい?
遺骨にわずかでも残る「炭素」の存在
遺骨ダイヤモンドが手元に届いたら、ぜひその感想を窓口担当者へ送ってみましょう。お礼のメールがもらえるだけでなく、ご自身の気持ちを整理することにもつながります。
というのも、遺骨ダイヤモンドを申し込むとき、きっと皆さん、こんな疑問からスタートしたのではないでしょうか?
遺骨に炭素は含まれているの?
「遺骨に炭素なんて含まれてるの?」そう思われるかもしれませんね。実は、遺骨にはごくわずかですが、約1%の炭素が残っています。
例えば1kgの遺骨でしたら、だいたい10gくらいの炭素を集めることができます。ダイヤモンド1カラットは0.2gですので、もし10gの炭素全てをダイヤモンドにできたとすると、理論上は50ctの巨大なダイヤモンドになる計算です。
しかし実際には、ダイヤモンドを生成する装置(ダイヤモンドアンビル)の大きさの関係で、現在は最大で2カラットまでしか作ることができません。
ダイヤモンドを製作するラボでは、他の方の炭素が混じらないよう、細心の注意が払われています。単に「丁寧に扱う」という気持ちの問題だけではなく、実際に保存容器にはすべてお客様番号を付けて、移動や化学変化を行う際は必ず責任者が台帳にサインするなど、厳重な管理体制が敷かれています。
ダイヤモンドを申し込む前は、他にもこんな疑問をお持ちだったのではないでしょうか?
遺骨はカルシウムではなかったの?
確かに、遺骨に残る成分のほとんどはカルシウムです。正確には、リン酸カルシウムという形で存在している場合が多いです。
ダイヤモンドに必要な炭素は、火葬の際にほとんどが燃えて二酸化炭素になります。しかし、その中でもごくわずかな炭素が、それでも遺骨の中に残されているのです。
ダイヤモンドのラボでは、このほんの少ししかない炭素を、熟練の技術で丁寧に抽出し、数週間という時間をかけてダイヤモンドの素材へと加工していくのです。
ダイヤモンドを申し込む際、さらにこんな質問をされた方がいらっしゃったかもしれません。
遺骨が足りない場合でもダイヤモンドにできる?
「遺骨から炭素を取り出せなかったら?」「そもそも遺骨そのものが足りない場合はどうなるの?」
ご安心ください。そのような場合でも、故人やペットの思い出の品を使うことで、ダイヤモンドを作ることが可能です。ご本人の思い出の品から選ぶといいでしょう。
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眼鏡・帽子
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服・布団
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日記・写真
故人の形見や思い出のものであれば、上記の例以外のものでも可能な場合があります、と窓口の担当者の方から説明を受けたと思います。ダイヤモンドは、ただお金を払えば自動的にできあがるものではないのですね。ダイヤモンドにしようと決心した後でも、次々と疑問や質問が湧き上がってきたことと思います。
それに、ダイヤモンドを作る際の不安は、故人をご供養する場合だけではありません。愛する動物のペットが亡くなった時も、同じように疑問や不安があったはずです。
ペットのダイヤモンドも遺骨が足りないことがある?
近年、ペットのダイヤモンドを作られるご家庭が非常に増えてきています。しかし、ペットの遺骨は量が少ないことがあり、ダイヤモンドを作ることができないケースも多いのです。
そんな時、ダイヤモンドの窓口では、このような工夫を提案してくれました。
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ご自身の髪の毛を足す: 2gあれば、それだけでもダイヤモンドを作ることができます。
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これまでのペットの遺骨を合わせる: ハムスターの兄弟の遺骨をすべて合わせてダイヤモンドにすることも可能です。
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毛布: ペットが使っていた毛布(タオル)を5cm角くらい切り取って、遺骨と一緒にダイヤモンドにされたケースもあります。
その他にもペットの場合、遺髪(体毛)や、生前にとっておいた爪などをご用意いただくことも多いです。ただ、これらを準備しなくてはならない時期は、ちょうどペットが死んで火葬するまでの本当につらい時期ですよね。
いくらダイヤモンドのためとはいえ、これらを準備するのは本当につらい作業になります。そこで、ダイヤモンド窓口の方から、「おすすめはご自身(あなた)の髪の毛を足す方法」だとお聞きになった方もいるのではないでしょうか。
亡くなられた方(故人)の場合でも、動物(ペット)の場合でも、亡くなってしまった後はどうにもできないことがたくさんあります。その時の気持ちを覚えていらっしゃいますか?きっと、寂しさと不安が入り混じったような気持ちだったと思います。そんな時、窓口の担当の人が「こうすれば実現できるかもしれません」と優しく提案してくれたことを思い出してみてください。
ダイヤモンドにすると決めた後、何色のダイヤモンドにするべきか、最初に悩まれませんでしたか?ダイヤモンド窓口担当の人から、このような説明を受けたかもしれません。
遺骨ダイヤモンドのカラーの秘密
遺骨ダイヤモンドはカラーを選ぶことができます。これは、合成ダイヤモンドを作成する際に、ダイヤモンド結晶中に炭素以外の微量な不純物が残っていると発色するという性質を利用しています。
ダイヤモンドの製造過程で不純物が結晶中に残りやすいのですが、それを逆手にとって、純粋な炭素に微量な物質をわざと残してダイヤモンドを発色させているのです。
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オレンジ: 窒素が含まれていると発色します。
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青色: ホウ素が含まれていると発色します。
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赤色: 窒素による結晶構造の一部欠落によって発色します。
天然ダイヤモンドの場合は、地下の高温高圧下で150万年という長期間をかけて炭素が少しずつ結晶化するので、不純物が徐々に抜けていきます。一方、合成ダイヤモンドの場合は数ヶ月という比較的短時間でできあがるため、窒素のような気体成分も結晶中に残っている場合が多いのです。無色透明(クリアーカラーまたはホワイトと呼ばれている)は、不純物が全く残っていないダイヤモンド結晶です。
遺骨ダイヤモンドは「着色」していない
そういうわけで、遺骨ダイヤモンドは**「着色」しているわけではありません**。世の中にはダイヤモンドを着色する方法もありますが、これは透明な天然ダイヤモンドをカラードダイヤモンドに仕上げるためにできた技術です。
遺骨ダイヤモンドは合成ダイヤモンドですので、素材となる炭素に必要な微量元素を残しておくだけで自然に発色させることができます。ですので、自然なダイヤモンドの仕上がりが、そのままカラーという個性になってできあがるのです。
ダイヤモンドができるまでの「時間」
ダイヤモンドができあがるまでには数ヶ月かかります。その間にダイヤモンドは結晶化して……。
と、窓口の係りの人から説明を受けたことと思います。実は、この「数ヶ月の時間」のおかげで、気持ちが穏やかになったのではないでしょうか。手元には何もない。遺骨すら海外のラボへ送り出してしまった。あるのは、いつの日かダイヤモンドになって帰国してくれるという希望だけ。
遺骨ダイヤモンドの良いところは、まさにこの「数ヶ月の時間」にあると私は思います。そして、出来上がったダイヤモンドですが、その方の個性が確かにそこに存在している気がするのです(※あくまで私の個人的な感想です)。
ダイヤモンドの個性とは
炭素を抽出する際、炭素に含まれている微量な不純物がダイヤモンドの色になる、と説明しました。この色にはダイヤモンドごとに個性があって、濃い色のオレンジや薄い色のオレンジ色ができます。ブルーやレッドの場合も同じです。
ラボでは品質を完全にコントロールできていない、というのが正直なところかもしれません。しかし、「同じカラーのダイヤモンドはできない(同じカラーでも微妙に違う)」ということは、すなわちダイヤモンドの個性にもつながるのです。
この個性的なダイヤモンドの輝きが、逆に人気の理由となっています。ダイヤモンドは、様々な角度に傾けて、その輝きをいつまでも眺めていられます。遺骨ダイヤモンドも、ぜひ個性的な輝きと対話してみてください。
こうして、手元に帰ってきた故人(あるいは、愛しいペット)のダイヤモンドを、しばらく眺めて対話してみるのがおすすめです。そして、その時の気持ちを、ぜひダイヤモンドの窓口に感想として書いて送ってほしいのです。
まとめ|夫が信じる遺骨ダイヤモンドの力
「なぜか夫は遺骨から作るメモリアルダイヤモンドのことを怪しいとは思っていない」
遺骨ダイヤモンドが手元に届いたら、ダイヤモンドの感想を窓口担当者へ送ってみましょう。お礼のメールももらえるでしょうし、何よりあなたの気持ちを整理することにつながります。きっと、その感想はダイヤモンドの窓口ごとにホームページへ掲載もしてもらえることでしょう。あなたの悲しみに寄り添ってくれたスタッフに、心からの感謝を伝えながら。