ダイヤモンドは映画の題材になりやすいものですが、残念ながら遺骨ダイヤモンドを扱った映画は見当たりません。それでも、死や病気を扱った映画を観ると、「ここに遺骨ダイヤモンドがあったらいいのにな…」と強く感じることがあります。
今回は、そんな想いを込めて、夫が「遺骨ダイヤモンドはペットも作れるなら、俺はそいつらと同等か?」と駄々をこねる理由もひも解きつつ、心に響く映画をご紹介していきます。
ペット・おひとり様・死・病気…心揺さぶる映画たち
ここでは、ペット、おひとり様、そして死や病気といったテーマを扱った、少し前の映画も含む作品をご紹介します。まずは予告編をぜひご覧になってみてくださいね。
『恋する、おひとり様』
おひとり様ブームは、アジアでも大きな話題になっています。この作品は「王子様をオトセ!」で人気のパフ・クオと、「恋してる愛してる」のリウ・イーハオが豪華共演したラブコメディ。台湾ガールズグループ“Dream Girls”のパフ・クオと、ハートに命中100%の脚本家が手掛けただけあって、ドキドキが止まりません。
ラブコメディでありながらも、ただひとりで生きていくだけでなく、人生の意味を仲間や友人という人間関係の中に見出すべき、というメッセージが込められているのかもしれません。おひとり様女子の心を“ぽかぽか男子”がゆっくりと溶かしていく様子に、胸が温かくなります。
自由な人生と、人生の責任を取れる大人が増えている現代。若者ではない私たちも、こんな風に老後を若者のように謳歌できるといいですね。
『ネコのお葬式』
「気づくとそばにいてくれた君に、一度も言えなかった言葉のことを君は知っているだろうか?」
友人の結婚式で出会い、互いに視線が外せなくなって恋に落ちた漫画家志望の活発な女性とミュージシャン志望の青年。一緒に暮らし始めた彼らのもとに、近所で寂しげに鳴いていた子猫のクルムが家族として加わります。
ささいな出来事で別れの時を迎えた二人。1年後、クルムが他界し、お葬式をするために二人は再会します。それは過ぎ去った日々を追体験する時間だっただけでなく、猫のクルムがプレゼントしてくれた特別なときめきの時間でもありました。
ペットと飼い主の深い絆、そして別れの悲しみが、きっと遺骨ダイヤモンドを考えるきっかけになるでしょう。
『ペット』
こちらは、解説不要ですね?そう、まさにペットもダイヤモンドになることができるんです!
『葬式の名人』
「過去のことは忘れて、前を向いていこう!」
大阪府茨木市。簡素なアパートで息子・あきおと二人で暮らす28歳の雪子のもとに、高校時代の同級生・吉田創の訃報が届きます。通夜のために10年ぶりに集まった旧友たちは、思いがけない再会に戸惑いを隠せません。
「吉田をもう一度、母校へ連れて行ってやりたい」と、吉田を棺桶に納めて全員で高校へ向かいます。斎場が混み合っていてお通夜ができないとわかり、なんと学校を使ってお通夜を行うことに…。
横たわる吉田を見ながら、息子のあきおに「ここにいる人は、あきおのパパやねん。アメリカから帰って来て、今日、交通事故で死んで……」。本音を語り合うことで、ようやく旧友たちのぎこちなかった心が通い始めます。夜更けにあきおは、吉田と一緒に眠りこけていました。雪子が目を覚ましたとき、不思議な世界が現れます。
死と向き合う中で、人と人との繋がり、そして家族の形を考えさせられる作品です。
『老後の資金がありません!』
楽しみながらお金の勉強もできる映画はありがたいですね。2千万円必要と言われている定年退職後の老後資金。どこにでもいる普通の主婦が、現代日本が抱えるお金の問題に立ち向かう物語です。
子育ても落ち着いて老後は安泰のはずだったのに、親の葬式、子供の派手婚、夫の失職、セレブ姑との同居が重なり、金銭的な困難が立て続けに襲いかかります。悩み、もがき、奮闘しながらも逆境に立ち向かう姿は、現代日本が抱えるお金の問題を痛快に笑い飛ばしてくれます。
『PLAN 75』
「あなたは生きますか?」という問いから、架空の制度を媒介に「生きる」ことというテーマを問いかける衝撃的な仕上がりとなっています。超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描きます。
「経済的合理性を優先し、人の痛みへの想像力を欠く昨今の社会に対する憤りに突き動かされて生まれた映画だ。人が生きることを全肯定してくれる。」
ホテルの客室清掃員として働くミチが、コールセンターからの電話を受け取る場面から物語は始まります。「75歳以上の高齢者に、死を選ぶ権利を認め、支援する制度、通称<プラン75>が、国会で可決されました」。
ミチという女性の姿を通して、彼女が最後に人生の選択をする姿が描かれており、心打たれ、惹きつけられます。勤勉に慎ましく生きてきたミチですが、失職をきっかけに社会での居場所さえも失いかけます。自分で立っていたいと自身を追い込んでいく姿は、公に助けを求めにくい現代社会を投影しているかのようです。
働く意志があっても就職先が見つからず追い込まれていくミチと、自らの叔父が<プラン75>の申請に現れて戸惑うヒロム、そして対象者・ミチとの交流により自らが携わる制度に疑問を持ち始める瑶子らの気持ちが揺れ動く様子が、観る者に深く伝わってきます。
『輝ける人生』
長年連れ添った夫の浮気をきっかけに人生を見つめ直すことになる女性の姿を、笑いと涙、音楽とダンスを交えて描いた人生賛歌のドラマです。平均年齢63歳の3人のキャストと72歳の名匠が教えてくれるのは、「勇気さえあれば息苦しい世界からあっさり抜け出せる」という真理。
順風満帆に見えた人生だったのに、夫と親友の浮気現場を目撃してしまい、傷心で姉ビフの家に転がり込みます。お金や名誉とは無縁のビフは、親友やダンス教室の仲間に囲まれ、人生を謳歌していました。
人生を楽しむヒントと夢が詰まった人生賛歌。妹を心配するビフは、サンドラをダンス教室へ連れていき、かつてダンサーを目指したこともあったサンドラは、音楽とダンスに心を癒され、忘れかけていた情熱を思い出していきます。また、元プロダンサー20名も出演しており、久しぶりの踊る仕事に向けて特訓を重ねて見事なダンスを披露してくれます。彼らの笑顔は決して演技ではなく、彼らの輝ける人生そのものです。
『アイ・アムまきもと』
先日、鶴岡駅に降り立った時、この映画の看板がやたらと立っていました。牧本さんという何の変哲もない人が、おひとり様(男性)のために家族を探して歩く奇跡の物語です。
NHKラジオでも地域レポーターさんが「ロケ地探しを手伝った」と言われていて、これは見なくては!と思ったのでした。その時に話が出ていたのですが、庄内市という架空の都市での話ですが、酒田市のことらしいです。
そして、酒田市は他にも終活に役立つ映画がありましたね!
『おひとりさま族 Aloners (혼자 사는 사람들)』
この映画の監督インタビューをご覧になってみてください。監督ご自身も「ひとりでは生きていけないのではないか」との思いから映画製作したと言われています。
一人で生きていく方が便利な世の中ですが、それでも人との交わりを大切にしていきたいという監督の想いが伝わってきます。
まとめ|夫の疑問と、死と向き合う心の形
今回は、
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『恋する、おひとり様』
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『ネコのお葬式』
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『ペット』
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『葬式の名人』
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『老後の資金がありません!』
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『PLAN 75』
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『輝ける人生』
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『アイ・アムまきもと』
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『おひとりさま族 Aloners (혼자 사는 사람들)』
といった、死や病気、そして人生の様々な選択を扱った映画をご紹介しました。これらの作品を観ると、やはり遺骨ダイヤモンドがあれば、故人をより身近に感じ、心の支えになるのにな…と感じます。
夫が「遺骨ダイヤモンドはペットも作れるなら、俺はそいつらと同等か?」と駄々をこねる気持ちも、わからなくはありません。しかし、遺骨ダイヤモンドは、愛する存在への深い愛情と敬意の表れです。それが人間であれ、ペットであれ、形は違えど、その根底にある「想い」は同じ。
これらの映画が、皆さんの大切な人への想いや、自身のこれからの人生について考えるきっかけになれば幸いです。