引き寄せられるように
JAZZの音色に導かれて
入ったカフェは
貸切だった
待ち合わせと言いたい
ところだが
誕生日に1人きりである
隣に座った人に
運命を感じたいもんだが
神さまはきっと
私が1人でいることを
望んでいるらしい
サリンジャーの
ライ麦畑でつかまえて
という本を知らない人は
いないだろう
49歳にもなって
再チャレンジをしたが
やっぱり相性があるのか
1ページ目で読む気が
失せてしまった
読書好きもそろそろ
卒業して
作家にでもなりたい
今日この頃だ
JAZZ喫茶といえば
神戸のM&Mでのデートを
思い出す
古本屋に2人で入り
互いに好きな本を購入して
JAZZ喫茶へ向かうと
1時間ほど無口になり
読み終えた頃に
お互いに感想を語ったものだ
「この言い回しズルイと思わないか?」
「素敵ね」
「エミもいつか小説でも書いたら」
「その時はあなたのことを書くわ」
20年以上も前の話になるが
あれから古本屋からの
JAZZ喫茶デートを
誰ともしていないのは
ちょっぴり残念だ
そんな気の合う男性がいたら
教えてほしい
朝起きてコーヒーを飲み
昼になりコーヒーを飲む
カフェを見つけては
足を運び
夜になれば
ウイスキーの前に
コーヒーを飲む
コーヒードランカー
どうやらコーヒー豆の価格が
上がるらしい
コーヒー好きな親友が
教えてくれた
豆のことは分からないが
豆が好きな親友に全てを任せて
いつかあなたが淹れる
美味しいコーヒーを飲む
客として
私は店の隅っこで
小説を書いていたい