(7月6日付 編集手帳より)
落語『火焔(かえん)太鼓』の一節より。
どこからか、年代物の太鼓を仕入れてきた道具屋に、口うるさい女房が悪態をつく。
「おお汚い、そんな太鼓が売れるものかい。まったく、お前さんときた日にゃ…」。
黙って受け流し、太鼓に積もったほこりを払おうとする亭主に、女房から二の矢が飛ぶ。
「およしよ、ほこりがなくなりゃ、太鼓もなくなっちまうよ…」
うまいこと言うものだと感心する。
落語のようなスマートなボケをスムーズに出せるような人間になりたいものだ。
そして、著者は言う。その落語の女房ならば、こう言っただろうと。
「ウミを出し切りゃ、日本相撲協会がなくなっちまうよ…」
ホコリまみれの太鼓と同じ理屈である。
ただ、太鼓とは異なる点が一つある。それは、ウミを出さずに居続けたとしも、外圧等の別の理由で日本相撲協会はなくなる可能性があるということだ。
まあ、それはともかく。
「ウミを出し切りゃ、日本相撲協会がなくなっちまうよ…」
っていう言葉は秀逸だと思う。