睫毛が目に入る | 純粋惰性批判

純粋惰性批判

ロマンチストの賞味期限は、短い。※フィクション内包型 ※カント未読

ここに来ちゃいけないよって

どうして言ってくれなかった?


守っているはずだったのに

傷つけた

強くさせるはずが

弱くした

自由をひらくつもりで

臆病にした


視界は不明瞭

それはなぜ?

それが不明瞭だから
/不明瞭ということばを知ってしまったから


非隠匿性を弄び

不完全を信じきった

すべては脆かった


洞窟の底を眺めながら

音が聞こえた

音だったのに

ことばとみなした

背後にある松明に

熱はなかった

影に見惚れていた

すべてがそこにあった

なぜならほかになにも

ないから