生検技術が、成功を左右する
PGT-Aで産み分けを試みた方々の体験談で、受精卵が正常なのに妊娠できなかったという記事。また、医師から、生検自体が卵を傷つけ、胚が弱くなり、成功率が下がると説明されたとある記事。
同じような体験をされた方のブログやSNSを読まれて不安になってしまった、最近お客様からよくいただくご相談です。
結論からお伝えすると、世界中の研究データでは、生検そのものが妊娠率を大きく下げることはほとんどないとされています。ただし、操作の方法やラボの環境によっては結果に差が出ることがあるのも事実です。
そもそもTE生検とは?
胚盤胞という段階に成長した受精卵は、「赤ちゃんになる部分(ICM)」と「胎盤になる部分(TE)」に分かれています。
TE生検では、この胎盤になる細胞(TE細胞)から5〜7個を採取して検査します。
この検査によって染色体が正常かどうか。性別がどちらかを確認することができます。
産み分けや着床前診断では、この結果がわからなければ何も始まりません。
だからこそ、リスクを最小限に抑え、最高の環境で行うことがとても大切なのです。
技術力と環境が左右するポイント
①レーザー技術
生検では、レーザーで透明帯に穴を開けて細胞を取り出します。レーザーを当てすぎたり、細胞を多く取りすぎると胚にダメージが残ります。
②凍結・融解の技術
生検後は再び凍結する必要があるため、凍結のスピード、培養液の質がその後の妊娠率に直結します。
③培養士の熟練度
熟練した胚培養士は、最小限の細胞をすばやく取り出します。一方で、経験が浅いと胚が崩れてしまうリスクが高まります。
④ラボの設備・培養環境
タイムラプス使用による培養器の安定性、空気清浄度、温度・湿度の管理など、環境のわずかな違いで胚の回復力に差が出ます。
生検で起こりうるダメージの例
①細胞を取りすぎた場合の発育遅延
胚盤胞は約100個の細胞でできています。通常は5〜7個を採取しますが、10個以上取ってしまうと修復にエネルギーを取られて成長が遅れ、凍結時点でグレードが下がることがあります。
②開けた穴の修復が不完全な場合
透明帯に開けた穴は、胚が自ら修復します。しかし修復が追いつかないと、胚が収縮したまま元に戻らず、最悪の場合は崩れてしまうこともあります。
これは培養士の技術に大きく依存します。
③再凍結・融解のストレス
他院から受精卵を持ち込む場合、融解→生検→再凍結となるケースもあります。
安心のためにできること
生検そのものは安全とされています。
ただし、「細胞を取りすぎない」「穴を丁寧に開ける」「凍結・融解を最小限にする」など、技術力の差で胚の未来は大きく変わります。
弊社が提携しているクリニックの大規模ラボでは、40名を超える培養士が在籍し、その中でも
「生検ばかりを専門に行うシニア培養士」
がいます。そうした体制を持つ施設を選ぶことが、安心につながります。
タイムラプス培養の強み
生検のダメージから胚が回復できるかどうかは、それまでどんな環境で育ってきたかにも影響します。
タイムラプス培養は、胚を取り出さずに常に安定した環境で育てられるシステムです。
温度や酸素濃度の変化がないため、胚へのストレスが最小限で済みます。弊社提携のクリニックは30台のタイムラプスを所有。生検を行うなら、
「タイムラプスで育った胚かどうか」
も、着床力を左右する大切な要素です。
まとめ
生検は妊娠率を下げるものではありません。ただし、技術力・環境・培養士の経験によって結果は大きく変わります。
信頼できるラボと最高の環境
“タイムラプス培養+シニア培養士”
が揃ってこそ、生検の価値は最大限に発揮されます。つまり、大切なのは「どこで、誰が行うか」。これが未来を決めるのです。
2009年から着床前診断の技術で日本をリードしてきたタイ国で経験を積んだ
‘産み分けを専門とする私たち’
がサポートします。最近相談が増えています。3つの候補日を教えてくだされば、必ず調整します。皆様の幸せのために最高の環境を提供します。