
監督はTORICOという女監督です。
監督の容姿まんまの作品です。
なんともチープな作りです。見世物小屋で蛇や鶏を食いちぎるシーンはなく、奇形に産まれた者も宇宙人扱い。
これならR15指定をはずして中高生が見れるようにした方がいいです。
絡みのエロシーンもとっぱらった方がいい。
全体的なチープ感もキモカワが好きな若い人には受けます。きゃりーぱみゅぱみゅや藤田ニコルなどのファッションに興味ある人にも。
出ている方々も若い人に受けそうな面々ですし。
原作者丸尾末広先生ファンからは酷評でしょう。
人間の嫌な部分をこれでもかと見せ、棒でグリグリとえぐるような心理描写は皆無です。
まず、みどりちゃんがそこまで不幸に見えません。鶏を食いちぎるシーンがないからでしょうか?
原作では小人のワンダー正光と恋仲になるのです。こんな気持ち悪いことってないですよ。小人の中年男と恋をするほど優しさに飢えているんです。映画では若い風間俊介というまぁまぁイケメンですし。
カナブンが犬を踏み殺すのも見ていてあまり辛くないです。
可愛がっていた犬の犬鍋を食べてしまうみどりちゃん。
どれもあっさりしてます。あんなに読んでいて辛かったのはなんだったのでしょう?
内容は後半には原作と変わります。
ワンダー正光と二人で旅立つ場面は原作では、バスを待つ二人でしたが、ワンダー正光がお弁当を買うので待っててね。と、みどりちゃんを残します。
お弁当を買ったワンダー正光は通り間に殺害されます。
遅いと心配したみどりちゃんが必死に探しますが居ません。
このどうしょうもない絶望感。幼子が迷子になり必死に母親を探す感じです。そして会えない…
原作を読んでいて嫌気がさすくらいでした。
みどりちゃんは一人ぼっちになってしまったのです。このあと本当にどうなったのか?
野垂れ死にしたのか…
また、みどりちゃん目当てのエロ紳士にでも拾われたか…
映画では女優になっているので、ワンダー正光が死んでも全くの一人ではないような気もします。
この映画はある意味安心感がありました。
私みたく原作にどうしょうもない恐れを抱いているものには優しい作りなのです。
紛れもなく原作は凄い作品でしょう。
でも私には手に終えないのです。
やはり映像化は不可能なのです。
演技の方はワンダー正光役の風間俊介さんが中々の怪演を見せてくれました。
みどりちゃん役の中村里砂さんは上手いとは言えませんね…モデルが本業なんでしょう。ただ目力やスタイルの良さ、ファッションなどで華があり楽しませてくれました。
この映画は音楽が掘り出し物です。
チャラン・ポ・ランタンが歌う主題歌「あの子のジンタ」 まるで椎名林檎のような声ですね。
ドスも効いていてメロディーは大道芸人が出てきそうで良かったです。
見世物小屋に誘い込むような歌詞です。
よってらっしゃい!みてらっしゃい!
私は釣られた客の一人ですよ。
あの子のジンタ