『殺人よ、こんにちは』には各章の書き出しに名作文学のオマージュがあります。
きょう、ママンが死んだで有名なアルベール・カミュの『異邦人』
第一章はマルセル・ブルースト『失われた時を求めて』
第二章、レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』
第三章、ロマン・ロラン『魅せられたる魂』
タイトルからしてフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』から取られてますからね(笑)
『殺人よ、こんにちは』は避暑地小説であり、殺人事件などありながらも、青春文学でもあります。
主人公の13歳の有紀子が思春期で生意気な感じがいいです。頭がよくて色々冷静に見ていて、コケティッシュな感じで 「口元ひねると我ながら可愛い!」らしいです(笑)男の子と砂浜でB(昭和的表現すいません)まで行くけど、最後までいかないのか!と残念でした(笑)
有紀子と同じ歳だったのに、今では有紀子の中年太りした母親と同じくらいの年齢になるなんて。
そして私には有紀子と同じ年頃の娘がいる。若さで眩しい時もある。
私もそうだったのだろうか?有紀子と違いロマンスには無縁だったけど(笑)
この話は二時間ドラマにもなっており、有紀子役に工藤夕貴で中々いい出来でした。
*ネタバレ有りです。最後の岩場でのシーン。Zippoのライターを有紀子のママの若い婚約者に取りに行かせ、穴から出れなくなってしまう。
そのままママの婚約者を海へ置いて行くのだ。
タバコに火をつけ、吸い、海に投げる場面は凄いです。
『殺人よ、こんにちは』は赤川次郎の持ち味である軽快さもあり、ミステリーあり、青春ありの何回読んでも飽きない作品になってます。
私が買っていた時は、カクカクした絵柄の表紙でした。
