『私は毎夜、天上の音楽を聴いているのです。
天体と音楽と数学はギリシャ時代のさらに前から分かちがたい1つのものとして考えられてきました。
偉大なる天文学者ヨハネス・ケプラ-によってこの宇宙の神聖は解き明かされました。
彼は天空の音楽のために星ぼしの運行を楽譜にしました。
ご存知のように、西洋音楽は完璧な比率によって構成された数学的美の表出です。
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それゆえ星の運行は人間の感情に影響を与えるのです。
心が奏でる音楽である感情と星の奏でる音楽が共鳴を起こす。
西洋占星術は宇宙と人間を結ぶ音楽を聴くことによって生まれました。
しかし、東洋の音楽は違います。
私は日本に行って日本の音楽がまったく理解できませんでした。
日本の音楽は音と音の間にある無限のグラデーションによって構成されています。
はっきりとした比率が存在しない。
ゆらぎなのです。
それは自然の音と似ています。
風や波やせせらぎの音が東洋の音楽です。
天界をモデルにした西洋の音楽とは異質のものでした。
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同じ地球に生きていながら私たちは真逆なのです』
『あなたはなぜ地球が青いかわかりますか?』
『それは…水の惑星だから』
『違います。この星が青いのは、地球人がさびしがり屋だからです。
地球に住む人間は宇宙の中でもとりわけさびしがり屋なのです。
地球人は悲しみという感情を偏愛しているとすら言えます。
とりわけ日本人はもののあわれを慈しみます。
だから、他の星の知的生命体は地球に来たがるのですよ。
それは地球の青さが彼らに淋しい、悲しい、という美しい感情を思い出させるからです。
彼らは精神的な成熟の段階で、淋しさや悲しみという感情をある程度、克服してしまいました。
自分以外の他者、倫理や価値観の違うもの同士が闘うことなく共存するために、未分化な感情を抑制することを学んだ結果です。
成熟によって感情の振幅がとても小さくなったのです。
それによって争いは減りましたが、彼らは自らの裡(うち)なる音楽を失ったことを知ったのです。
だから、失った音楽を聴くために地球へやって来るのです。』
マアジナルより。☆
田口ランディさん。☆
