~クリスマスの贈り物~『2つの樹 最終回』 | シン・135℃な裏庭。

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『2つの樹』最終回



木こりは、慈悲深い東の樹に涙を流しながら祈りをささげました


空に白々と色がつくまで祈りをささげました


それからしばらくして、

子供たちの家を建てるための土地に、大きな二本の柱がとどけられました

東の果てと西の果てから届いた大きく頑丈で、それはそれは立派な柱でした


王さまも大工も子供たちも、たいへんな喜びようでした


「これで大きな家がたつぞ!」


二本の柱を前にお祭りがおこなわれました


2つの樹がならんだとき

お互いにはっとしました

「あなたは………」


「きみは…………」





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すぐにわかりました


「やっと やっと逢えた…」


それはかつて大昔に幼いまま離ればなれになってしまった双子の相手だということに


気が遠くなるほどの、ぼうだいな年月の間、


お互いにどうしても逢いたかった相手だったということを。。


(今までの長い年月、わたしは、人々のお役にたつために、強くならなければと思ってきたわ。


だけど、ほんとうは、あなたにもう一度、めぐりあいたいためだったということが、今、ようやくわかったわ…)






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「いや、不思議なことにね…」


村人や大工たちがうわさをします


「この2つの樹とも同じことを言ったらしいんだよ…


《わたしが変わりに切られましょう。子供たちの喜ぶ顔が見れるのなら幸せです》


てさ~」


「そうそう、それからもうひとつ。


《新しい世界を見たくなった》


とね…」


「へぇ、不思議なこともあるもんだねぇ」



その大きな家は、強くて立派な二本の柱に支えられて


ふたたび長い年月、子供たちを守り続けていたそうです





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おしまい。