お隣のお庭のどこかで黒猫が赤ちゃんを産んでいる。
お隣は、亡きじいさまが愛したお花たちがわんさかと繁っており、
残ったおばあちゃんも、かなりのご高齢で、ほとんど外にでることはない。
朝晩、すぐそばに住む息子のおじさんが網戸の空け閉めをしたり、お孫さんが立ち寄ったり、外回りの看護婦さんが立ち寄ったり。
つまり、豊かなお庭はほぼ無人で、時空を越えたじい様の愛だけが、漂い、花たちは、それに答えるかのように豊かに繁り続ける。
『いいとこで産んだね』
人の気配に妨害されることなく、雨露を凌げる。
そんな野良な黒猫ママだけど
やはりおっぱいをあげるし、不眠不休の時期だからお腹すくだろう。
べいびーがピイピイ鳴いてる時がある。
ピイピイの時は、ママがお留守なんだろう。
ママは、ご飯を探しにいってる。
おそらく塀の裏側あたりにいるから
時々、うちを歩いてる。
そんなママは、驚くことにあちこちに白髪が出ていた。
お腹も少しぺタンとなっているから
よくないかもしれないけど
さりげなく通り道に、食べそうなものを置いた。
すぐになくなった…(笑)
ある日、仕事に出るとき玄関を空けると
ちょうど塀の上にいて子供を呼ぶような甘い鳴き声をあげていた。
びっくりした顔w(゚o゚)w
横を通過しようとしたら
(シャ―――っっ!!)
煆
煆


歯を剥き出しにして威嚇してきた。
(いやいや…食べへんて
)(餌やったやんて
)女一匹、野良で生きてきたし、出産後の女とは、えらく攻撃的だから
仕方なく、玄関に戻り二分ほどボケ~として再び開けたら、
まだおった…w(゚o゚)w
(シャ―――っっ!)
もうええって。
時間ないから行きますわ。
(´∀`)
ママの鮮やかな黒髪は、あちこちが白髪だった。
時々、人は、人を非難するとき
「動物的」だ。とか、「犬猫並み」とか言う。
あれを聞くと
(シャーーーっっ!煆)
となる。
失礼やないか!動物に!
そんなありきたりな言葉を使う人は、犬猫や大小様々な動物がいかに、命懸けで子育てをしているのか、知らないんだろう。
もうね、涙がでるほど献身的なんだよ。
人間は忘れてるんだよ。
そんな風に揶揄する形態は、最早、動物世界より遥か下で
尋常じゃなく狂っているんだよ。
簡単にそんなことを言うあなたの感性もヤバイのよ。
白髪のママは、今日も朝から餌とりの旅に出かけていた。