運動会で、歩きにくく、前にバタリと音たてて倒れた子に、
「電動車イスにのったり下りたりしようよ。
歩くだけでつかれたら、
何もできないもの。
字はおどってしまうから、
電動のカナタイプを使ってみない」
彼は今、上手に車イスをのりわけ、
カナタイプは機関銃のように早くうって
詩をかきはじめました。
「僕、絵もだめ、文もだめ、算数もだめ」
と泣いた子の、絵と文章で
一冊の本ができました。
出版社に感謝しながら、
その本を一冊ずつ手渡したときのうれしそうなこと。
何万部売れてるとはいいませんでした。
気負ってかいてはいけませんもの。。
一冊を抱いて寝ている子。
私は子どもの時の天才は
どうやって「知らさずに」おくのか、
それが、
そばについているものの責任だと思うのです。
だって、
おもねたものが出来上がると、
いけませんもの。。

宮城まり子さん
*すごい洞察力だと思います。
気負いはじめると、だめになっちゃいますもんね…