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田園都市線つくし野駅6:37各駅停車。

多くの乗客は、次の長津田で、急行に乗り換えて、都心あるいはそれより向こうに行く。

急行は、病人が出てもおかしくないくらい混んでいるので、渋谷までの30分の時間も我慢できなくて、えっちらおっちら各駅停車で行くことにしている。

渋谷で降りやすいように、極力、扉の近くがいい。

隣に座るのは、できれば、ワイシャツが汗でぴっちり肌にへばりついているデブのおっさん以外なら許せる。そういう人は、圧がすごくて。

目の前の座席に座った女性。この人が、次の長津田で降りれば、この人の後、そこに座ればいい。

文庫本を読んでいる。東野圭吾の赤い指。推理小説好きなら、電車に乗り慣れているのではないか、何の根拠もないけど。遠くまで通勤のお供には、小難しいものより、ガシガシ読めるような推理小説のほうがいい。

ブックカバーがついていないということは、図書館。ハンコが押してある。大和私立図書館。

どこにあるのか具体的なことは知らないが、大和市にあることは間違いない。図書館で本を借りれるということは、大和市民。

大和から小田急に乗って、中央林間まで来て、田園都市線、しかも各駅停車に乗り換えてきている。中央林間はターミナル駅だから、急行も止まる。なのに、各駅停車に乗っているということは、長津田で、急行に乗り換えるということはありえない。だったら、中央林間から急行に乗ればいい。

この女性は、長津田でも降りずに、この各駅停車に乗り続ける。ということはこの席は空かないということ。僕はこの席に座れないということ。