* S *
逸らされない瞳、誘うような唇に思わず細い
腰を抱いた。
こんなのダメだ。
わかってる。
けれど、どうしても触れたくて、我慢できな
くて…
「 んっ 」
小さく漏れる甘い声。
拒まれないのをいいことに何度も何度も唇に
触れた。
少しカサついたそこを潤してやりたくて舌で
舐めてやる。
逃げない。
逃げられるはずがない。
おまえはオレのことが好きなんだから。
触れたい。
もっと触れたい。
欲がどんどん膨れ上がるのを止められない。
「 雅紀、口あけて 」
「 櫻井さ…んっ 」
少し開いた唇に舌を忍ばせ、雅紀のそれを捕
まえた。
チュッ
クチュ
ビクンッ
「 んっ………ぁ… 」
舌を絡め、上顎を擦り、歯列をなぞるとオレ
の服を掴む雅紀の指に力が入る。
「 雅紀…もっと… 」
そう囁くと素直に差し出された舌に甘噛みし
たとたん雅紀がその場に崩れ落ちた。
「 も…ダメ…力はいんない 」
同じ目線になるようしゃがむと雅紀の瞳には
涙が滲んでいる。
「 櫻井さん、なんでキスしたの? 」
「 ………なんでだろうな? 」
「 オレと同じ気持ちだから…違う? 」
「 雅紀、オレは… 」
プルルルルップルルルルッ
オレの言葉を遮るようにスマホの着信音がそ
の場に響いた。