* A *
「 でも…オレの勘違いかもしれなくて… 」
「 それでも構わないから 」
「 ……… 」
「 雅紀、話してくれ 」
「 櫻井さん…
本当に確信があるわけじゃないんです 」
櫻井さんに名前で呼ばれたのはうれしかった
けど怒られちゃった…
そうだよね、やっぱり話すべきだった。
「 この間の防犯カメラを見た時になんとなく
ですけど鈴木に似てるなと思ったんです
でもそんな程度で鈴木を疑うのも悪くて言
えなかった 」
「 さっきは何か言われたのか? 」
「 相談にのってほしいって言われました
食事に誘われて…
でも今の状況じゃ行くのは難しいから断わ
ろうとしてました 」
「 そういうことか 」
「 はい、黙っていてごめんなさい
でも鈴木は同期だし相談があるなら聞いて
あげたいです 」
「 鈴木の相談はおそらく退所の件だろう 」
「 え? 」
「 有り体に言えば潮時ということだ 」
「 ……… 」
「 知っていると思うが two がデビューする
時に鈴木も候補に上がっていた
けれど当時の彼には雅紀と松本の中へ入れ
る程の実力が足りなかった 」
それは聞いたことがある。
オレだって当時は選ばれるのに必死だった。
「 逆恨み…か 」
「 櫻井さん、待って!
まだ鈴木って決まったわけじゃない!
オレは疑いたくない! 」
悲しくなって涙が溢れると櫻井さんが優しく
抱きしめてくれた。