* A *
しょーちゃんのキスにまた涙が止まらなくな
った。
「 ぐすっ………はぁ 」
「 落ち着いた? 」
「 うん、ありがとう
泣いちゃってごめん 」
年甲斐もなく泣きじゃくってしまったオレを
しょーちゃんは優しく抱きしめて背中を撫で
てくれる。
「 あれからオレたちどうなったんだろう? 」
「 わからない
雅紀は子供の頃から順に夢を見ていたんだ
よな?
オレは逆にあの頃…雅紀を監禁していた頃
から逆行して夢を見ていた 」
「 そっか… 」
なぜしょーちゃんから離れたか、なぜしょー
ちゃんはオレに乱暴なことをしたのか気持ち
を伝えあった。
お互いを想い合った故の悲劇。
「 それにしても不思議だね
やっぱり前世の記憶なのかなぁ? 」
「 そうだな
でも先祖とは関係ないと思う
オレの実家は元華族でもなんでもないし 」
「 うちも先祖が庭師なんて聞いたことない 」
「 何にしても雅紀とこうなれたのは夢のおか
げでもある
いや…夢を見なくてもきっとオレは雅紀に
惹かれたと思う 」
「 しょーちゃん… 」
「 週末は一緒に過ごそう
雅紀のことがもっと知りたい 」
「 うん、オレも 」
「 体調は?明日は会社に行けそうか? 」
「 もう大丈夫だよ 」
「 よかった
じゃあ、今日は帰るな 」
「 来てくれてありがとう
週末、楽しみにしてる 」
「 おやすみ、夢で会えるといいな 」
「 くふふっうん 」
その夜に見た夢は現世のしょーちゃんと一緒
に週末を過ごす夢だった。