* A *
テーラーからスーツが仕上がったと連絡がき
て受け取りに来た。
ネクタイはレストランの予約日に櫻井さんと
一緒に選ぶことになっている。
「 よくお似合いです 」
「 ありがとうございます
身体にピッタリで気持ちいいです 」
「 櫻井様よりネクタイは次回ご来店時にと伺
っておりますがよろしかったですか? 」
「 はい、また櫻井さんと一緒に寄らせていた
だきます 」
「 お待ちしております 」
スーツをケースに入れてもらって店を出ると
うれしくてつい顔がニヤけちゃう。
くふふっ
これを着て櫻井さんと食事に行くのが楽しみ
でしかたない。
思い浮かぶのは彼の笑顔。
もうオレの中で櫻井さんはかけがえのない人
になっている。
" オレも櫻井さんが好き "
その気持ちが日に日に大きくなっていく。
もうすぐきっと風船みたいに弾けてしまうだ
ろう。
自分の気持ちに素直になれば、ちゃんと向き
合えば、答えなんてただ一つだった。

