* A *
櫻井さんと同居を始めて半月がたった。
櫻井さんはカフェの仕事にも慣れてきたみた
いで、店長さんに教えてもらったというサン
ドイッチや軽食をうちで作ってくれるように
なった。
楽しい。
櫻井さんとの生活がすごく楽しい。
そして櫻井さんへの想いは日々大きくなって
いく。
たまたま触れ合った指先、洗面所の鏡で目が
合った時、櫻井さんがオレを呼ぶ声と笑顔…
好きだなぁって思う瞬間がたくさんある。
でも、その気持ちとは反対に不安もある。
記憶が戻ったらどうなる?
当然、ここを出て元の生活へ戻っていく。
そもそも後半月したら記憶が戻っていなくて
も警察へ行くんだからすぐに身元もわかるだ
ろう。
本当ならすぐに警察へ届けなければいけなか
ったんだ、たとえ櫻井さんが拒んでも…
はぁっ
自分勝手な考えに自己嫌悪する。
目を閉じてそんなことを考えていると櫻井さ
んの足音が聞こえてきた。
お風呂から戻ったのかな?
なんだか疲れてしまって目を開けずにいると
すぐ近くに櫻井さんの気配がした。
フッ
息が頬にあたる。
どうしたんだろう?
すごく近い。
「 相葉さん…寝てる? 」
フワリとクチビルに柔らかいものが触れたけ
ど、これって…
「 好きだよ 」
その言葉に目を開けた。
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やっとここまできた❤️💚