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" Lucky Man " の事務所へ行くと潤が不機嫌
そうな顔で事務仕事をしていた。
「 どうした?困った客でもいたか? 」
「 翔さんさ、あんなののどこがいいわけ?
ちょっと綺麗な顔をしてるだけでぜんぜん
フツーじゃん 」
「 なんの話だ? 」
「 ふふふっ潤はヤキモチ焼いてんだよ
大好きな翔くんを取られたもんだから 」
智くんの言い方から察するに雅紀のことか?
「 今日、ワイシャツ作りに行ってきた 」
「 雅紀に会ったのか 」
「 " 雅紀 " って…名前で呼んでんの?
っていうか、付き合い始めたわけ? 」
「 いや、まだ返事待ちだ 」
「 チッ 」
「 そんなに雅紀が気に入らないか? 」
「 気に入らないね
もっと翔さんに相応しい人じゃないと 」
「 オレはそんな大した男じゃないよ 」
「 そんなことない! 」
「 はははっありがとな 」
潤は " Sunshine " の方も兼任しているため、
オレが一から仕事を教えたこともあって何か
と慕ってくれている。
オレもそれに甘えてこの間は前日に無理を言
ってピザ生地を用意してもらった。
「 潤、この間はありがとうな
すごく美味かった 」
「 相葉さんと食べたんでしょ?
そりゃあ美味しいよね 」
「 機嫌なおせよ、また飲みに行こう 」
「 ………絶対だよ 」
「 あぁ、近いうちに必ず 」
「 ところで翔くん、例のパーティーって今夜
だろ? 」
「 18時に◯◯様とお約束しています 」
「 頼むな、◯◯様は両社ともお世話になって
いる方だから 」
「 心得ております、社長 」
潤が雅紀に何を言ったのか気にはなったが、
とりあえず今日のゲストをもてなすことに集
中することにした。