櫻井さんがパーティー用スーツを仕立てるた
めに採寸をしてから2週間後、今日は仮縫い
のために来店されている。
パーティー用スーツなんて普段見る機会がな
いから密かに楽しみだった。
そして悔しいけど超似合ってる。
フィッティングが終わり、ソファ席へ案内し
てさっさとその場を離れようとすると腕をつ
かまれて引き止められた。
「 食事へ行かないか 」
「 え、なんで? 」
あまりのことについ敬語を忘れてそして一歩
後ずさる。
「 オマエなぁ…
まぁいい、名刺を届けてもらった礼だ 」
「 別にそんなのいらない………です 」
「 オレの気が済まないから付き合え 」
はぁ?
礼とか言ってなんでそんな偉そうなわけ?
ホント、つくづくムカつくオトコだな。
「 結構です、どうぞお気になさらず 」
「 可愛くないな、いいから付き合えよ 」
「 アンタにかわいいなんて思ってもらわなく
ていいし! 」
「 相葉さん、何かありましたか? 」
大きな声を出してしまったからか二宮さんが
様子を見にきた。
「 二宮さん…
すみません、なんでもないです 」
「 櫻井様、失礼がありましたか? 」
「 いや、大丈夫だ 」
「 そうですか
では、お仕立てに4週間ほどいただきます
仕上がりましたらご連絡いたしますね 」
「 あぁ、よろしく 」
「 かしこまりました
相葉さん、お見送りをお願いします 」
「 はい 」
櫻井さんと一緒に店の外まで出ると名刺を2
枚わたされた。
「 どっちでもいいから連絡しろ 」
「 しません 」
「 待ってる 」
わたされたのはあの日返した " Sunshine " と
" Lucky Man " の名刺。
ただ違うのは " Lucky Man " の名刺の裏に手
書きで電話番号とLINEのIDが書いてあること
だった。
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ナンパ?( ̄▽ ̄)