*   A   *




チュッ


小さな音を立てて離れたクチビル。


「 しょーちゃん? 」


「 悪い 」


それ以上はなにも言わずに歩いていくしょー

ちゃんになんとなく " なんで? " とは聞けな

かった。

" ストーカー対策のため " って言われるのが

嫌だったんだ。

そんなことのためにしょーちゃんとキスをし

たくなかった。


「 じゃあな 」


「 うん…また明日ね 」


駅に着いたけど別れがたい。

そう思うのはオレだけだろうか?


なんだかその場から歩き出せないでいると、

しょーちゃんがいつものように優しく微笑み

かけてくれた。


「 少しだけ飲んでいくか? 」


「 ………あのさ 」


「 ん? 」


「 しょーちゃんち行っちゃだめ? 」


「 ……… 」


「 ごめん、明日も仕事だもんね

    やっぱり帰ろっか 」


「 いいよ、うちで飲もう

    泊まっていけよ 」


「 うん 」


あんなキス一つでオレどうしたんだろう?

しょーちゃんの隣にいてドキドキするし離れ

たくないって思う。


「 行くぞ、雅紀 」


スルリと手を撫でられて体温が上がる。

そして触れたしょーちゃんの手も気のせいか

いつもより熱く感じた。






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これが最後になるのか…