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交際宣言から一週間。

まだ視線は感じるものの、デスクから物が紛

失することはなくなり特に困ったことは起き

ていない。


「 雅紀、オマエは大丈夫か? 」


「 ん?大丈夫だよ

    ほら、うちの会社って同性パートナーの

    社内制度もあるからめずらしくもないし

    まぁウワサになってるのは感じるけどね

    なんたって櫻井部長の相手だもん 」


雅紀への影響を心配していたが本人はあっけ

らかんとしたものだ。


「 とにかくしばらくは続けよう?

    オレのことは心配しなくていいよ 」


雅紀の部下の藤井の話だと彼女は脈がないと

確信するとそのうち諦めるらしい。


「 それより蕎麦懐石楽しみ 」


「 そうだな 」





食事を堪能しての帰り道、駅への近道に公園

を歩いているとまた例の視線を感じた。


「 いるね 」


「 いるな 」


「 こんな人気のない公園を女の子一人でウロ

    ウロするなんて危ないのに… 」


そんなふうに心配する優しいところがオレは

昔から好きだった。


「 くふふっ手でもつなぐ? 」


「 いいな 」


雅紀から繋いできた手を握り直して恋人繋ぎ

する。


「 なんかテレるね 」


「 そうか? 」


お互いアラフォーのおっさん。

だけど、月明かりの下で微笑む雅紀は出逢っ

た頃のまま綺麗で…


「 雅紀 」


「 ん?………んっ 」


気がつけば繋いだ手を引き寄せてキスをして

いた。






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松潤も独立か…

寂しいけどこれからも応援していきます。

いろいろ心配になっちゃうけど(株)嵐があ

るから大丈夫だよね?