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コンテストに応募した作品が優秀賞を取った

と主催者側からメールが届いた。


最優秀賞は逃したものの、それなりに大きな

コンテストで賞を取れたことには少なからず

自信が持てた。


「 ははっ…プロが言うことじゃねぇな 」


それでもこの数年 " 人 " を撮れなくなった自

分には大きな一歩だ。


人を愛おしいと思う気持ちを無くしていた。

だから撮れなかった。


雅紀を愛おしいと思うようになった。

だから撮りたくなった。


応募した写真はあの海で撮ったものだ。

薄曇りのグレーがかった空と海。

雅紀がオレを好きだと言ったあの日、オレへ

の告白に悩んでいた瞬間。


ずっと残しておきたい記憶…


そのシーンを撮ったものが評価された。


プルルルルッ


スマホの着信音に画面を見ると智くんからだ

った。


「 はい 」


「 やったな、翔くん 」


「 うん、ありがとう…見た? 」


「 あぁ、いい写真だった 」


「 大野先生にそう言ってもらえるなんて光栄

    です 」


「 ふふっそうだろ?

    だけど無理することはないからな 」


「 わかってる

    智くん、オレね…雅紀が大切なんだ 」


「 知ってる 」


「 これから雅紀にも報告してくるよ 」


「 相葉ちゃん、喜ぶだろうなぁ 」


「 そうだね 」


「 もう大丈夫だな? 」


「 大丈夫だと思う 」


「 近いうちに飲みに行こう、また連絡する 」


プツッ


智くんとの会話を終え、受賞した写真を手に

リビングでオレを待っている雅紀のもとへ向

かった。









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みんなはどんな写真を想像してた?


chocolat は波打ち際で ↑ の雅紀くんが海を

見ている写真を想像しました。

写真の評価はわからないのであくまでも主観

です。← 好きな画像っていうだけ