* S *
ポンッ
オフィス階から乗っていたエレベーターが止
まって扉が開くと雅紀が立っていた。
「 あっしょーちゃん、おつかれさま
今からお昼ご飯? 」
「 あぁ雅紀は?まだなら一緒に行こう 」
「 どこに行くの? 」
「 いつもの蕎麦屋 」
「 いいね〜行く行く! 」
雅紀との付き合いはこの会社へ入社してから
だからもう15年になる。
二人きりの時は名前で呼び合う仲だ。
「 そうだ、聞いたよ
おめでとう
今回も営業一課が売上1位だったって?
やり手の部長さんがいる課は強いねぇ 」
「 それはどうも 」
「 その余裕なところがかわいくない
カッコいいけどさ 」
「 ふははっ 」
「 お祝いにおごるよ
今夜はあいてる?
" Shake it " へ飲みに行かない? 」
「 いいねぇ 」
「 じゃあ、潤に連絡いれとく
何時に終わりそう? 」
「 19時かな 」
「 了解 」
「 おっと、危ないぞ 」
「 へ?あ、ごめん 」
1階に着いてエレベーターを降りると、ラン
チから帰ってきた女子社員とぶつかりそうに
なった雅紀の腰を抱いて引き寄せた。
「 ごめんなさい、大丈夫でしたか? 」
「 はいっ大丈夫です! 」
優しく微笑む雅紀に声をかけられた女子社員
の目がハートになる。
ったく、40過ぎてもこれかよ。
「 行くぞ 」
「 うん 」
「 キャーーーッ♡ 」
無意識に腰を抱いたまま歩き出すと背後から
謎の悲鳴が聞こえた。
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
こんな上司がいる会社で働きたい。
そして、モブの女子社員になって二人の恋を
見守りたい…
という目線で書いてます( ̄▽ ̄)