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「 いらっしゃいませ 」

しょーちゃんのテーブルへオーダーを聞きに
行くと優しい笑顔を向けてくれた。

「 ご注文はどうされますか? 」

「 シェフのおすすめで 」

「 かしこまりました 」

「 雅紀 」

「 なぁに? 」

「 ソムリエの… 」

「 ソムリエ?
    あ、ワインリストもお持ちしますね 」

「 そうじゃなくてだな 」

どうしたんだろう?
しょーちゃんにしてはめずらしく歯切れが悪
い。
それにカズはニヤニヤしてるし。

「 新しいソムリエが入ったんだって? 」

「 え?あ、うん
    若いけどしっかりしてて知識もすごいよ
    呼ぼうか? 」

「 いや、いい
    雅紀とはどういう関係なんだ? 」

関係?
どうもこうもないけど…

「 えっと、職場の同僚だよ?
    ワインのことを勉強したくていろいろ教え
    てもらってる 」

「 そうか 」

「 うん 」

しょーちゃんの言いたいことがよくわからな
くてカズを見るけどニヤニヤしているだけで
なにも教えてくれない。

「 では少々お待ちください 」

しょーちゃんの席を離れるとちょうど流星が
ワインボトルを持ってホールへきた。

「 雅紀さん、あのお客様ですか? 」

「 あ、うん 」

「 カッコいいですね 」

「 くふふっでしょ? 」

「 でも諦めませんからね 」

耳元でコソコソッとまた謎のセリフを囁いて
お客様の所へ行ってしまったけれど…

しょーちゃんも流星もホントになんなの?





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一つ前の記事にラブシチュ小話をアップした

のでよかったら見てね♡ → ★★★