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玄関を開けると二宮が仁王立ちして待ち構え

ていた。


「 で?ペットってどういうことだよ?

    ご丁寧にドッグタグまでつけさせて 」


「 言葉のとおりだな 」


「 はぁ!? 」


「 カズ、落ち着いて!

    しょーちゃんにはホントに良くしてもらっ

    てるんだから 」


「 そもそも雅紀と二宮はどういう関係だ? 」


「 幼馴染の親友です

    ったく、だいたい困ってるんだったらすぐ

    にオレの所へこればよかったんだ

    変な見栄張ってこのアイバカ 」


「 だってカズに迷惑かけたくないし、カッコ

    悪いとこ見せたくないし… 」


「 それで死にかけてどうするんだよ!?

    そういう所がアイバカだって言ってるんだ

    このアイバカ 」


「 バカバカ言うなよ!

    バカって言う方がバカなんだぞ! 」


「 小学生かアイバカ 」


「 う〜っ 」


この様子から二人の親密さがわかる。

ということは…


「 そんなわけでまーくんは連れて帰ります 」


やっぱりな。

二宮ならそう言うと思った。


「 えっ? 」


「 え?じゃないよ 

    まーくんはオレの所へくるの 」


「 でも… 」


縋るような瞳でオレを見るってことは雅紀も

ここにいたいってことでいいよな?


「 二宮、雅紀はオレのものだ

    オレが拾ったんだ、誰にも渡さない 」


「 ペットなんて言われて何をさせているかわ

    かったもんじゃない 

    翔さんがそんな鬼畜だと思わなかったよ 」


「 なんとでも言え

    とにかく雅紀を手離す気はない

    雅紀がここを出たいと言うまではな 」


「 カズ、心配かけてごめん

    でもオレはしょーちゃんのそばにいたい

    ホントに変なことしてるわけじゃないよ

    家事をやってるだけだもん

    それに仕事も探すから 」


「 仕事は探さなくていい

    オレの助手をしてもらう 」


「 翔さん、本気なの? 」


「 あぁもちろん 」


ちょうどそのことも考えていたところだ。


「 雅紀、オレの仕事を手伝ってくれるか? 」


「 いいの?しょーちゃんがそう言ってくれる

    ならお手伝いしたい 」


「 そういうことだから雅紀のことは任せてく

    れないか 」


「 チッ…しょうがねぇな 」


雅紀の様子を見て二宮が渋々頷いた。