「 んっ…のぞむ、やめろよっ 」
乱暴なキス
こんなキスがしたかったわけじゃない。
「 流星、好きだ…ずっと好きだった 」
オレと流星はそんなに体格差があるわけじゃ
ない。
マウントをとって自由を奪って…
なにしてんだよ、オレは?
フッと我にかえり流星の顔を見るとじんわり
と目尻に涙が浮かんでいた。
「 ごめん 」
「 望…やっぱりオマエ、オレのこと… 」
「 やっぱりって…気づいてたのか? 」
「 もしかしたらとは思ってた 」
「 流星、オレのこと好き? 」
「 好きだよ、あたりまえだろ?
けど…オマエと一緒の気持ちじゃない 」
流星に気づかれていたことには驚いたがこの
返事は想定内。
「 そっか…
でもオレも引くつもりはないよ
相葉さんのことを想っていてもいい
そのかわりオレのこともちゃんと考えろ
もちろん、そういう意味で 」
「 見込みないかもしれないぞ? 」
「 ゼロじゃないだろ? 」
「 それは…わかんねぇよ 」
歯切れの悪い返事。
そうだよ、流星がオレを突き放せるわけがな
い。
「 流星のことを一番好きなのもわかっている
のもオレだよ
もうバレたんだ、これからは遠慮しない 」
「 は?遠慮しろよ 」
「 しないよ
何年片想いしてると思ってるんだ 」
「 え…いつから? 」
「 中学の時 」
「 中学!? 」
「 そうだよ、長年の片想いなめんな
もう決めた
絶対にオマエを落としてみせる
流星…嫌だったら殴っていいよ 」
「 へ?オマエ、また…んんっ 」
チュッ…チュク
流星はオレを殴れはしない。
それをわかっていてまたクチビルを奪った。