ザワザワッ
あぁ今日もめっちゃ目立ってる。
宰相さん…
じゃなくて、ショウさんと一緒にお城の食堂
へ行くとそこにいた人たちが一斉にオレたち
を見た。
ちなみに " ショウさん " っていうのは魔導院
からの帰りに名前で呼べと言われたからだ。
お城の食堂はビュッフェ形式なんだけど、オ
レはどの料理に魔素が多いかわからないから
ショウさんがトレーの上の皿に料理を盛って
くれていた。
その光景が注目を浴びているってわけ。
それにそもそも宰相様はいつもは食堂なんか
には来ないらしい。
「 あの、ショウさん
教えてもらえたら自分で取ります 」
「 オレが取った方が早いだろう 」
「 そうかもしれないけど、宰相様にこんなこ
とをさせるわけには… 」
「 オマエの面倒はオレがみると言ったはずだ
それからマサキ、今日は魔素抜きの日だか
らな 」
「 はい…お願いします 」
そう、倒れたあの日から3日に一度と決まっ
た " 魔素抜きの日 " もオレの頭を悩ませてい
るんだよね。
「 仕事が終わったら部屋へ行く 」
「 はい 」
声をひそめることなく部屋へ行くなんて言う
からまたザワザワとまわりがざわめく。
「 マサキ、午後はどうするんだ? 」
「 シュピーゲルのトリミングをします
午前中たくさん遊んで汚れちゃったから 」
「 そうか 」
ショウさんがフワリと優しく笑うと女の子た
ちのため息が聞こえた。
うん、こっちの世界でもしょーちゃんはモテ
るもんね。
そういえばショウさんに恋人はいるのかな?
いるとしたら治療とはいえあんなことをして
もらっているのは本当に申し訳ない。
「 ほら、マサキ
口元にソースがついているぞ 」
「 え?どこですか? 」
拭おうとするより先にショウさんの手が伸び
てきて親指で拭われ、しかもそれをペロリと
自分で舐めたりするもんだから…
「「「「「 キャーーーッ! 」」」」」
その日、かつてない悲鳴とざわめきが食堂に
響きわたった。
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
はい、お約束の口元拭ってペロリ♡
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