* S *
「 オレ、雅紀に好きって言ってないのか? 」
そう言うと、雅紀がブンブンと凄い勢いで首
を縦に振った。
「 いや、でも言ってるよな? 」
「 言ってない! 」
「 そうか…
ごめんな、不安にさせてたか 」
そうだ、オレは言っている気になっていた。
あの言葉で…
「 しょーちゃん、言ってくれるの? 」
「 なぁ雅紀、" 可愛い " ってどういう意味か
知ってるか? 」
「 え? 」
「 " かわいらしい " っていう意味だけど…
オレの雅紀に対する気持ちは " 愛す可し
(あいすべし) " って意味だよ 」
「 愛す可し…
しょーちゃん、オレのこと愛…? 」
意味を理解したのかまた新たな涙が頬を伝っ
ていく。
本当にオマエは可愛いな。
「 雅紀、好きだよ…愛してる 」
「 しょーちゃん… 」
抱きしめて
クチビルに触れて
愛の言葉を囁いて
愛おしさが募る。
「 愛し合おうか 」
耳元で囁くと雅紀が頷いた。
「 おいで 」
可愛い恋人の手をとって寝室へ向かった。