* A *
カラカラカラッ
カートを押す櫻井さんがなんだかかわいい。
「 あのさ、オレも行っていい?
クルマだすから 」
そう言って買い物に付き合ってくれているん
だけど、スーパーに来るのが久しぶりって…
この人、今までどんな生活を送ってきたんだ
ろう?
「 あの…カート、オレが押しますから 」
「 いいから
相葉くんは必要なもの入れていってよ 」
なんでそんなに楽しそうなの?
オレは櫻井さんと買い物できて楽しいけど…
櫻井さんは優しい
櫻井さんはカッコいい
ほら、すれ違う女の人がみんな見てる。
ハウスキーパーなんて雇わなくても彼女とか
一緒に住むような人いないの?
そもそもなんでオレ?
プロの人の方が絶対いいのに…
「 櫻井さん、明日の朝食はフレンチトースト
にしますか? 」
「 え、マジ?すげぇうれしい 」
くふふっ
櫻井さんといると自然に笑顔になっちゃうん
だよね。
何が好き?
何が苦手?
そんなことを聞きながら食材をカゴへ入れて
いく。
納豆も好きって言っていたから、明後日の朝
食は和食にしよう。
二人で店内をゆっくりまわっていると、不意
に腰をグッと引き寄せられた。
「 危ないよ? 」
すぐ横をカートを押した人が通り過ぎる。
「 あ…ありがとうございます 」
振り向くと櫻井さんがすごく近くて…
「 どういたしまして 」
その優しい声と表情に、
ドキンッ
胸が鳴った。