* S *
智くん・潤と食堂で別れ、その日の午後は外
まわりに出た。
街中を歩いていると…
お?ここ、雅紀が好きなショップじゃね?
ショーウィンドウに飾られた服やアクセサリ
ーの数々。
その中から目に留まったプラチナリング。
葉をモチーフにした細身のソレは小さなグリ
ーンの石が一粒埋めこんであった。
一目でコレだと思った。
オレのものだという印…
こんなものが絶対なわけじゃない。
そんなことわかっている。
でも…
雅紀はつけてくれるだろうか?
まだ若いアイツには重いだろうか?
「 はぁ
オレってこんな情けないオトコだったんだ
な… 」
雅紀にどんどんハマっていく。
雅紀から初めてくれたこの恋に、もうどうし
ようもなく溺れているのはオレの方。
一回りも歳の離れた恋人を誰にも触れさせた
くなくて、盗られたくなくてしょうがない。
オレのつまらないヤキモチと独占欲。
「 自分でも引くわ… 」
そう思いながらも…
その指輪という名の鎖を手に入れるため、店
のドアを開けた。