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智くん・潤と食堂で別れ、その日の午後は外
まわりに出た。
街中を歩いていると…

お?ここ、雅紀が好きなショップじゃね?

ショーウィンドウに飾られた服やアクセサリ
ーの数々。
その中から目に留まったプラチナリング。

葉をモチーフにした細身のソレは小さなグリ
ーンの石が一粒埋めこんであった。

一目でコレだと思った。

オレのものだという印…
こんなものが絶対なわけじゃない。
そんなことわかっている。

でも…
雅紀はつけてくれるだろうか?
まだ若いアイツには重いだろうか?

「 はぁ
    オレってこんな情けないオトコだったんだ
    な… 」

雅紀にどんどんハマっていく。
雅紀から初めてくれたこの恋に、もうどうし
ようもなく溺れているのはオレの方。

一回りも歳の離れた恋人を誰にも触れさせた
くなくて、盗られたくなくてしょうがない。

オレのつまらないヤキモチと独占欲。

「 自分でも引くわ… 」

そう思いながらも…

その指輪という名の鎖を手に入れるため、店
のドアを開けた。